丸紅 CO2回収技術保有の英社に出資、CCU事業参入

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2020年2月25日

 丸紅はこのほど、火力発電所や産業プラントなどで発生する排ガスからCO2を回収する技術を持つ、英国のカーボン・クリーン・ソリューションズ(CCSL社)に出資したと発表した。今回の出資を通じて、CO2の回収・有効利用/再資源化(CCU)事業の共同開発に取り組む。

 CCSL社は、CO2の分離・回収技術の1つである化学吸収法に使用される新規回収溶剤を自社開発し、従来の回収溶剤より高効率・低価格でのCO2回収を可能とする技術を保有。現時点で商業化されているCO2回収技術の中で世界最高水準のコスト競争力を実現している。また、さらなるコスト削減を実現する次世代技術の開発にも着手している。

 地球温暖化を背景とした気候変動対策の重要性が世界的に高まる中、温室効果ガスの削減は喫緊の課題。このような状況下で、製鉄所やセメント工場、石油化学工場、廃棄物焼却炉などの産業プラントからの発生が避けられないCO2を回収し、さらに有効利用/再資源化することで大気中へのCO2排出を抑制するCCU事業は、CO2を回収・貯蔵する事業とともに、地球温暖化対策の重要な選択肢の1つと期待されている。

 丸紅は、CCSL社とのCCU事業の共同開発を通じ、CO2の有効利用・再資源化というサステナブルなビジネスモデルを構築すると同時に、地球温暖化という社会課題の解決に貢献していく。

クレハ 譲渡したブローボトル事業に出資、製造・販売を支援

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2019年11月6日

 クレハはこのほど、共同印刷が設立した「共同クレハブローボトル」に11月1日付で出資し、ブローボトルの製造を行うと発表した。出資比率は共同印刷が75%、クレハが25%。

 クレハは7月24日に、ブローボトル事業を共同印刷に承継させる契約を締結した。クレハが製造・販売してきたブローボトルは11月1日以降、製造は共同クレハブローボトルが、販売は共同印刷が行う。それぞれに対し、クレハからブローボトルの製造・販売に従事していた従業員が出向してサポートする。

 ブローボトルは内層にガスバリア性に優れたEVOH樹脂を使い、内外層にオレフィン樹脂を使用した、共押出中空成形法による食品用の多層プラスチック容器。優れたガスバリア性により水分・酸素・CO2のガスを通しにくく、微生物や酸素による食品の変敗を防ぐとともに、保香性にも優れている。これらの特性を生かし、マヨネーズやケチャップ、ソース、ドレッシング、油などの液体容器として利用されている。

 クレハは機能製品事業をコアとする事業ポートフォリオへの変革を進めている。ブローボトル事業を共同印刷に承継させることで、同社の生活・産業資材部門の製品群とのシナジーが発揮され、クレハと共同印刷相互の事業の発展に資すると考えている。