帝人 航空機向け高耐熱熱硬化プリプレグ、生産を増強

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2021年10月20日

 帝人は19日、グループ会社の米国レネゲード社が、高耐熱熱硬化プリプレグの生産能力を約2.5倍へと増強すると発表した。投資金額は400万ドル。同社は昨年3月に設備増設に着工した設備が完成しており、来年1月から商業生産を開始する。

 レネゲード社は、1993年創立の樹脂メーカーを母体として2007年に設立された航空・宇宙用途向け高耐熱熱硬化プリプレグメーカー。耐熱性樹脂に関する豊富なノウハウをもってており、中でも、低毒性原料によるポリイミド樹脂を用いて製造される高耐熱性および熱サイクル耐性に優れるプリプレグは、欧米をはじめとする航空機メーカーや航空機用エンジンの関連メーカーなどから高い信頼と採用実績を得ている。同社製品でしか対応できないことから、使用温度が極めて高い航空機のエンジン部品を中心に採用が拡大しており、今後も高耐熱熱硬化プリプレグは、航空機用途でのさらなる需要拡大が見込まれている。

 こうした中、同社は、需要拡大への対応力強化や産業用途への拡大展開を目的として、2019年12月に生産増強を決定。すでに増設設備は完成しており、現在実施している試運転を経て来年1月から商業生産を開始する予定だ。

 なお、帝人グループは、米国テキサス州ダラスで開催される複合材料と最先端技術に関する展示会「CAMX」(10月19~21日)において、グループ共同ブースにレネゲード社の高耐熱熱硬化プリプレグを出展する。

 帝人グループは、今後、炭素繊維製品の開発をさらに強化し、革新的な高性能材料とソリューションを提供することで、長期ビジョンである「未来の社会を支える会社」を目指していく。

 

帝人 ポリカーボネート樹脂を値上げ、採算是正を図る

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2021年10月20日

 帝人は19日、ポリカーボネート(PC)樹脂の国内外価格について11月1日出荷分から値上げすると発表した。対象製品と改定幅は、PC樹脂「パンライト」リン系難燃グレードが、国内「10円/kg以上」海外「100USドル/t以上」、PC系アロイ樹脂「マルチロン」リン系難燃グレードが、国内「30円/kg以上」海外「300USドル/t以上」となっている。

 PC樹脂に難燃性を付与する副資材の一種であるリン系難燃剤の粗原料は、その多くが中国で生産されている。しかし、同国における電力使用制限措置によって大幅に減産されており、需給のひっ迫状況から価格が急騰している。また、石油価格の高騰に伴い、PC樹脂の主原料であるビスフェノールAの価格は高止まりの状況が続いている。

 同社は、これらのコスト上昇が合理化努力で吸収し得る範囲を超えていることから、販売価格の改定を決定した。

帝人 自動車向け複合成形材、グローバルブランドを展開

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2021年9月27日

 帝人は24日、グローバル展開している自動車向け複合成形材料事業について、「テイジン・オートモーティブ・テクノロジーズ(TAT)」にブランドを統合すると発表した。帝人グループは、中期経営計画の中で、マルチマテリアル化による高付加価値用途への展開強化を掲げ、自動車向け複合成形材料の米国でのトップシェア拡大と、欧州・中国市場での展開の強化・拡大を推進している。

 同社は2017年に北米最大の自動車向け複合材料部品メーカーであるCSPを買収して以降、ポルトガルのイナパル、チェコのベネットを相次いで買収、昨年にはCSPの中国合弁会社CSPビクトールを子会社化し、世界各地に拠点を構築。グローバル・ティア1サプライヤーとしてOEMからの要求特性に対応するため、環境配慮型の次世代自動車に求められる軽量で高強度な部品開発を推進している。また、昨年には、テクニカルセンターとしてドイツにTACE、先端技術開発拠点として米国にATCを開設。顧客ニーズに対する、マルチマテリアルでのソリューション提案力を強化している。

 こうした中、今回、TATブランドの下に、グループ会社ならびに組織(世界29拠点、社員約5400人)が結束。事業体制を強化することで、ライフサイクル全体を通じた環境負荷低減を実現する、自動車部品の技術開発、生産、供給を展開していく。またブランド統一に伴い、CSP、イナパル、ベネット、およびTACE、CSPビクトールは、TATへと社名を変更する。なお、日本国内の事業所や部署については、社名は変えず、TATを事業ブランドとして展開していく予定だ。

 TATは、これまで培ってきた素材に関する専門知識や、自動車向けの設計・エンジニアリング能力を融合することで、自動車業界が求める部品をグローバルに提供できる、世界でも稀有なリーディングカンパニーとして確固たる地位を確立していく。また、バリューチェーン全体のライフサイクルの観点から、CO2排出量削減に向けた技術開発や様々な取り組みにも注力していく。

 帝人グループは、環境配慮型の自動車の実現に向けた様々な要求に対応できる存在へと進化し、2030年近傍には、自動車向け複合材料製品事業の売上高を20億ドル規模に拡大していく考えだ。

 

帝人 高機能繊維の複合材料集成材、ブランド展開を開始

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2021年9月22日

 帝人は21日、複合材料集成材「LIVELY WOOD」を使用した木造モバイル建築ユニットの製造を開始し、「LIVELY VILLA」ブランドとして販売展開を開始すると発表した。

高機能繊維を用いた複合材料集成材「LIVELY WOOD」
高機能繊維を用いた複合材料集成材「LIVELY WOOD」

 「LIVELY VILLA」は、高機能繊維により木材と同等の軽量性と鉄骨並みの高い剛性を併せもつ「LIVELY WOOD」を使用した、移設可能な木造モバイル建築ユニット。用途として、医療介護や福祉サービスの施設での面会・簡易診察用の施設や、ワーケーション施設、宿泊施設、グランピング施設、さらには非常時の仮設住宅などとしての活用が想定される。

 特長として、梁の一部に「LIVELY WOOD」を採用することにより、モバイル建築ユニットを吊り上げる際に生じる建物全体の変形を抑制し、容易に移設を繰り返すことができる。また、使用する木材も、設置する地域の木材を使用する地産地消がコンセプトとなっている。帝人は、協力工場に製造委託を行い、別注品(400万円~)として販売展開を行っていく考えだ。

移設可能な木造モバイル建築ユニット「LIVELY VILLA」
移設可能な木造モバイル建築ユニット「LIVELY VILLA」

 こうした中、ブランド展開の第1弾として、高齢者の福祉サービスを総合的に提供する長陽会(大分県佐伯市)の福祉施設に、3台(サイズ:長さ約6m、奥行き約2m、高さ約2.8m)が採用された。コロナ対策の一環として、家族との面会や簡易診察用の臨時施設として使用される。

 採用理由として、①壁や床に、杉や檜などの国産木材を使用し、温かみのある室内空間を実現、②室内を陰圧にすることによる室内空気の流出低減や、HEPAフィルター搭載の空気清浄装置の使用による室内空気の浄化といった感染症の二次感染リスク低減に貢献する構造、③新型コロナ感染者の利用を想定し、床や壁などをアルコール消毒することが可能、などが挙げられる。

 同社は同ブランドの普及を図ることにより、木材の地産地消の促進や、災害時に仮設住宅として役立つことを目指し、長期ビジョンである「未来の社会を支える会社」となることと、SDGsの目標達成への貢献に向けてまい進していく。

【ポリカーボネート特集3】帝人

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2021年9月17日

新たな市場ニーズに対応、高付加価値化の推進

 帝人は1960年に日本で最初にポリカーボネート(PC)の商業生産を開始し、1999年にはシンガポール、2005年からは中国へと樹脂の生産拠点を拡大した。その後シンガポールからは撤退し、現在は日本12万t、中国16万t、計28万tで世界第5位の生産能力を保有するとされる。

 PC樹脂「パンライト」と、ABS樹脂とのポリマーアロイ「マルチロン」の2つの製品群を展開している。光学用途に特化した「パンライトSP」シリーズは高屈折率・低複屈折といった特長があり、カメラの薄型化・高画素化に貢献。スマートフォンのカメラ向けに引き合いが強いが、要求特性の多様化に合わせた新グレードの開発に取り組んでいる。

 それに対し、独自開発した「マルチロン」は、PCとABS樹脂の両方の特長を兼ね備えており、

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帝人 訪問看護師向けのサイト開設、地域包括ケアを支援

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2021年9月14日

 帝人はこのほど、訪問看護師や訪問看護事業者への情報提供に特化したウェブメディア「NsPace(ナースペース)」(https://www.ns-pace.com/)を開設したと発表した。

 訪問看護に必要な情報や、職員の採用や教育、事業所の運営などに関するノウハウ、さらには訪問看護師同士の交流の場を提供し、訪問看護師と訪問看護事業者にとってのプラットフォームとなることを目指していく。

 団塊の世代が75歳以上となる2025年以降には、国民の医療や介護の需要がさらに増加すると見込まれている。これに対し、政府は在宅医療の体制整備を急務とし、高齢者が住み慣れた地域で住まい・医療・介護・予防・生活支援などのサービスを一体的に受けられるよう、地域の包括的な支援・サービス体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進。

 こうした中で、訪問看護師は、在宅医療の中心的な担い手としてのニーズが高まっており、その所属事業所である訪問看護ステーションの数は10年間で約2倍に増加している。しかし、経営に必要な情報やノウハウが充分に得られないことや、採用や教育が上手くいかないなどの課題により、休止や廃止に至る事業所も多く課題となっていた。

 今回、帝人はウェブメディア「ナースペース」を開設し、課題解決の支援を通じて、地域包括ケアシステムの構築に貢献する。「ナースペース」の特長として、①訪問看護師の求める訪問看護関連の情報に特化し、迅速に検索・閲覧が可能、②訪問看護事業所の経営者層、管理者層にも有用なコンテンツ構成、③オンラインセミナーなど各種イベントを定期的に開催し専門性の高い人材の育成や経営を支援、④事業運営に欠かせないマニュアルやフォーマットを提供し事業運営を効率化、などが挙げられる。

 帝人は今後、「地域包括ケアシステム関連新事業の創出」を掲げ、保険領域に留まらない地域密着型の総合ヘルスケアサービスの提供を目指しており、今回の取り組みを含めたデータプラットフォームを活用することで、新たな市場創出を推進していく。

訪問介護士向けのウェブメディア「NsPace」
訪問介護士向けのウェブメディア「NsPace」

 

帝人 メタ系アラミドがカーレース向けスーツに採用 

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2021年9月3日

 帝人はこのほど、同社が展開するメタ系アラミド「コーネックス・ネオ」が、電気自動車のフォーミュラーカーレース「フォーミュラE」に参戦する英国のチーム「EVR」のレーシングスーツに採用されたと発表した。「コーネックス・ネオ」がレーシングスーツ向けに使用されるのは初となる。

パラ系アラミド「コーネックス・ネオ」がレーシングスーツに採用
パラ系アラミド「コーネックス・ネオ」がレーシングスーツに採用

 帝人グループは、地球温暖化への意識啓発の1つのアプローチとして、昨年からEVRを支援。その中で、次世代の自動車に求められる軽量・高強度でデザイン性に優れる部品や、安全性に貢献する製品の開発に向けた技術や知見を追求している。こうした中、400℃超の耐熱性をもち防炎性に優れる「コーネックス」にあって、世界的に難しいとされる安定した高い染色性を備える「コーネックス・ネオ」がレーシングスーツ向けに採用された。

 今回のレーシングスーツは、帝人グループのテイジン・アラミド(オランダ)と、モータースポーツ用品メーカーであるOMPレーシング(イタリア)が共同開発。外層に「コーネックス・ネオ」使用の超軽量生地を使用しているため、高い難燃性や耐熱性をもち、過酷なレース環境にも耐えることが可能だ。 また、染色性に優れることから、EVRが求める色合いやデザインを実現した。

 さらに「コーネックス・ネオ」は、特殊な紡糸法により製造プロセスの化学物質排出やエネルギー消費を削減し、欧州の化学物質管理の法規制であるREACHをクリア。EVRがチームのミッションとして掲げる「地球温暖化に挑むレース」にも合致している。

 このレーシングスーツは、「コーネックス・ネオ」を特殊加工した素材とそれに適した生地設計を採用したことにより、一般的なレーシングスーツよりも一層少ない二層構造となり、従来EVRが着用していたものに比べて10%の軽量化を実現。着用快適性が高まり、ドライバーの動きやパフォーマンスの向上に貢献する。また、安全性についても、国際自動車連盟の基準に沿った厳密なテストをクリアしている。なお、このレーシングスーツは、8月14日に開催されたベルリン大会で初めて着用された。

帝人 2030年CO2排出削減目標、30%に見直し

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2021年8月20日

世界的なグリーン化に対応、SCでも目標を設定

 帝人はこのほど、中期経営計画の中で環境負荷低減の長期目標として設定している2030年度までのCO2排出量削減について、2018年度比「30%削減」に目標値を引き上げるとともに、サプライチェーン(SC)排出量の3分の2以上を占める部分についても、同「15%削減」という数値目標を設定した。

 同社グループは2019年に、パリ協定の目標に適合する水準として、自社のCO2排出量を同「20%削減」する長期的な目標を設定していた。

 その後、国際社会ではカーボンニュートラル実現に向けた動きが活発化。日本政府が今年4月に2030年のGHG(温室効果ガス)排出削減目標を46%(2013年比)に引き上げたのをはじめ、世界各国が目標の見直しに動いた。

 企業には、パリ協定に整合するとみなされる、SBT(サイエンス・ベースド・ターゲット)に沿った目標設定や取り組みが求められおり、同社はSBTイニシアチブからの認定取得を目指していた。

 こうした中、ネットゼロの実現に向けた取り組みを加速すべく、同社はSBTイニシアチブの認定基準の1つである「2℃を十分に下回る目標水準」に適合させるため、CO2排出量の削減目標をより高い水準に設定することを決定。

 新たな数値目標として、自社のCO2排出量では、自社のGHG直接排出量(スコープ1)に他社から供給された電気などのエネルギー使用に伴う間接排出量(スコープ2)を加えたものと定義し、算定範囲をこれまでよりも拡大。その上で、2030年度までの数値目標を、2018年度比「20%削減」から「30%削減」へと引き上げた。

 ロードマップとして、2022年までにオランダのテイジン・アラミド社の再エネ化を推進するとともに、自家火力発電では2拠点(日本、タイ)の脱石炭に取り組む。

 また会社全体では、再エネ化の推進や、エネルギー効率化・省エネにも注力することで、目標達成を目指す。これにより、同社の2018年度比30%削減目標は、2013年度の排出量実績に単純換算すると47%減になり、政府の目標(46%削減)を上回る水準となる見込みだ。

 一方、SC全体でのCO2排出削減目標については、2030年度までに「製品などの削減貢献量が総排出量を上回る」とすることを目標に掲げていた。ただ、SBTではスコープ3(自社以外での排出)がバリューチェーン全体の40%を上回る場合、スコープ3排出量全体の3分の2をカバーする目標設定が必要になるため、SCにおける数値目標として同「15%削減」を新たに設定。原料となる化学品を購入しているサプライヤーとの連携を強化していく。

 なお、これらの数値目標は、新たに環境負荷低減の長期目標として位置づけられ、今年7月より帝人グループ全体に適用された。同社は今後、企業全体のGHG排出状況を毎年開示し、最低でも5年ごとに目標を見直していく考えだ。

 

帝人の4-6月期 各セグメントが販売堅調で増収増益

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2021年8月11日

 帝人は6日、2022年3月期第1四半期(4―6月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比26%増の2259億円、営業利益37%増の173億円、経常利益48%増の184億円、純利益72%増の98億円だった。

 同日に電話会見を開催し、鍋島昭久代表取締役常務執行役員CFOは「コロナ禍からの経済回復に伴い、各セグメントでの販売が堅調となった。ヘルスケア大型投資の効果もあり、売上高と営業利益はコロナ禍前の2019年度第1四半期の水準を上回った」と総括した。

 マテリアルセグメントは

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帝人 自動車業界に向けて特設サイト開設、製品など紹介

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2021年7月28日

 帝人は27日、グループの持続可能な社会へ向けた取り組み姿勢、ならびに自動車の環境負荷軽減に貢献する技術を総合的に紹介する特設サイト「TEIJIN SUSTAINABLE MOBILITY」(https://teijin-sustainablemobility.com/?lang=ja)を開設したと発表した。

特設サイト「TEIJIN SUSTAINABLE MOBILITY」

 同社は、自らができる地球温暖化への意識啓発の一つのアプローチとして、EVのフォーミュラーカーレース「フォーミュラE」に参戦する英国の「エンヴィジョン・ヴァージン・レーシング・フォーミュラEチーム」(EVR)をサポートしており、同サイトではEVRを支援する意義や関連コンテンツも紹介している。

 同サイトのデザインやコンテンツの制作に当たっては、日本・米国・欧州の自動車関連のグループ会社とも連携し、自動車業界のステークホルダーに広く受け入れられるウェブサイトを目指した。また、環境負荷軽減につながる自動車部品などの情報では、蘭テイジン・アラミド社、米CSP社、独ジーグラー社がもつ各製品やソリューションを紹介しており、今後、グレージングや炭素繊維関連のソリューションなど、新たなコンテンツを追加していくことで、さらに内容の充実を図っていく。

 帝人グループはこの特設サイトを通じて、サステナビリティに関する企業メッセージや自動車向けの環境負荷軽減ソリューションについて発信することにより、自動車業界における認知度やポジションの向上、グローバルにおける中長期的な新たなビジネス機会の創出を図っていく。