帝人ファーマはこのほど、アデノシンデアミナーゼ(ADA)欠損症治療剤「レブコビ筋注2.4㎎」=一般名:エラペグアデマーゼ(遺伝子組み換え)=が同日、厚生労働省から製造販売承認を取得したと発表した。
同剤については、英国の製薬企業であるリーディアント社と、日本での独占開発・販売契約を締結している。なお、同剤は、2016年3月に同省から希少疾病用医薬品に指定されている。
ADA欠損症は、遺伝子の変異が原因でADAという酵素の欠損や機能低下が生じることにより、血液中のリンパ球が減少し、重症免疫不全などを引き起こす疾患で、難病にも指定されている。発症頻度が20万~100万人に1人という希少疾病で、重症感染症により1歳前後までに死亡するケースも少なくない。
治療としては、造血幹細胞移植が第1選択となっており、その他の療法として、ADAを注射で投与することで免疫機能の改善を図る酵素補充療法や、遺伝子治療が行われている。しかし、これまで日本では酵素補充療法に用いるADA製剤が承認されておらず、それが治療上の課題となっていた。
こうした中、厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で、ADA酵素補充製剤の開発企業の募集が行われたのを受けて、帝人ファーマは2014年にリーディアント社(当時の社名はシグマ・タウ・ファルマ社)と、日本での独占開発・販売契約を締結し、ADA欠損症の新たな治療選択肢の提供を目指して開発に着手。帝人ファーマが日本国内で実施した第Ⅲ相試験と、リーディアント社が米国で実施した第Ⅲ相試験の結果に基づき、昨年6月に承認申請を行っていた。