宇部興産はこのほど、参天製薬と共同開発した緑内障・高眼圧症治療剤「エイベリス点眼液 0.002%」について、9月21日付で日本での製造販売承認を取得したと発表した。
同剤の有効成分である「オミデネパグ イソプロピル」は、選択的にEP2受容体に作用して眼圧下降作用を示す、新規作用機序の化合物。
緑内障は視神経の障害により視野の欠損が起こる疾患で、日本では眼疾患における視覚障害(視力低下、失明)の主な原因となっている。
緑内障の視神経障害と視野障害は基本的に進行性で非可逆的であるため、早期発見・早期治療による障害の進行抑制が、治療上の重要な課題。眼圧を下降させることは、現在、緑内障の障害に対する最も確実な治療法であり、同剤はこの治療法に貢献する薬剤であると考えている。
今後、新たな治療選択肢として同剤を医療現場に提供するとともに、同剤の適正使用のために、安全性に関する情報を医療関係者と患者に理解してもらえるよう努めていく。これにより、患者のQOLの向上に寄与できることを期待している。
なお、同剤はグローバル開発品であり、日本以外での承認取得も目指し、現在アジアにおいてフェーズ3試験を実施中。今年度下期に、米国でのフェーズ3試験を開始する予定だ。