帝人は7日、オンライン健康支援事業などを行うリンケージ(東京都中央区)に出資し、資本・業務提携を行うことで合意したと発表した。これまでの睡眠分野を中心とした業務提携の範囲を、禁煙やフレイルの重症化予防などにも広げることが目的。
リンケージは2011年の創業以来、健康保険組合や企業、自治体に対して先鋭的な健康増進施策を提供してきた。2013年からはICTを活用した、日本企業の海外駐在員向け健康支援サービスの提供を始めたことを皮切りに、2015年にオンライン特定保健指導サービスを立ち上げた。
また、2017年には業界に先駆けてオンライン禁煙プログラムの提供を開始するなど、医師・看護師・保健師・薬剤師・管理栄養士などの社内外の医療従事者や、大学・官公庁の協力者とリンケージ(連動)しながら、オンライン健康支援事業のパイオニアとして事業を創造してきた。その結果、現在は80を超える健康保険組合(加入者数合計約370万人)が、オンライン健康支援サービスを利用している。
一方、帝人グループはデジタルヘルス技術を活用したヘルスケアサービスにより、誰もが住み慣れた地域で、人生の最後まで自分らしい生活を全うする地域包括ケアシステムの普及に貢献することを目指し、すでに帝人ファーマでは、多職種連携情報共有システム「バイタルリンク」を展開している。
日本では今後も少子高齢化が急速に進み、医療資源の不足と地域格差がさらに拡大し、地理的制約を受けないオンライン診療やオンライン健康支援サービスが、より多くの人々に必要となることが予測される。
こうした中で、両社の保有するサービス、技術、ノウハウを融合させることにより、社会的ニーズに応えるソリューションの提供が可能になると考え、資本・業務提携に合意した。
今回の提携により、帝人はオンライン診療とオンライン健康支援事業でノウハウを持つリンケージと、共同で新たなサービスの開発に注力する。また、リンケージとの連携を図りながら、将来的に地域包括ケア領域での新規事業の立ち上げを目指していく。