バイオベンチャー企業群・ちとせグループのティエラポニカは、カワスイ川崎水族館(神奈川県川崎市)とタッグを組み、同館での「循環型水耕栽培」の展示を始めた。
具体的には、ティエラポニカがもつ微生物活躍型栽培技術を活用することで、同館展示の草食動物、カピバラの排泄物を微生物の働きで分解し、水耕栽培に適した「有機養液」に転換。その有機養液を肥料に水耕栽培で育てたコマツナやチンゲンサイ、レタスなどをカピバラにエサとして与え、館内での循環を生み出していく。
水耕栽培への家畜糞尿など有機原料の活用は、化学肥料の使用を抑え、循環型社会への歩みを進めることが期待される。両者は循環型水耕栽培を通じてSDGs(持続可能な開発目標)達成を推進するとともに、来館者が生き物同士のつながりや循環型社会への取り組み、有機養液栽培という新規な技術に触れることにより、環境と調和した市民生活の在り方、それを支える技術に対する興味、関心がより高まっていくことを目指す考えだ。
カワスイはアクア・ライブ・ネイチャーが運営する水族館。「世界の美しい水辺」をテーマに、同市を流れる多摩川からアジア、アフリカ、南米アマゾンの熱帯雨林まで、世界の様々な環境に暮らす生き物を最先端の技術を駆使し展示している。
今回の新たな展示をカピバラのエサやり体験やバックヤード見学ツアーに組み込むことで、来館者が楽しみながら循環について学ぶ機会を提供していく。「循環型水耕栽培」の展示は、来年3月までを予定する。