AGC ガラスアンテナの開発体制を世界三極で構築

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2019年3月27日

 AGCはこのほど、ベルギー・ゴスリーに建設していた自動車用ガラスアンテナの開発拠点となる電波暗室を、3月15日に竣工したと発表した。これにより、ガラス業界初の日米欧三極で自動車用ガラスアンテナ開発体制が整備されたことになる。

 来たるべきモビリティ社会には、カメラやLiDAR(レーザー画像検出と距離測定)、センサーなどの機器によるクルマ同士あるいはクルマとすべてのものがつながるV2Xを実現する通信機能が求められる。

 そうした中、受発信アンテナの搭載と電波の出入り口として、自動車用ガラスの役割が増大。また、クルマのデザインを損ねることなく、各種放送波の受信や5Gなどの高速通信に最適なガラスアンテナデザインを設計するためには、開発段階から高度なシミュレーション技術の応用や高精度な計測技術が必要となる。

 同社は、40年以上にわたり自動車用ガラスアンテナの研究・開発・製造では業界をリードしており、すでに日本と米国の電波暗室で自動車用ガラスアンテナの設計を実施し、顧客に最適な自動車用ガラスアンテナを提供。今回、欧州での電波暗室竣工により、顧客の開発活動をグローバルに支援し、かつIoT時代の〝つながる〟クルマに対応するアンテナ開発を加速していく体制が整った。

 同社グループは、経営方針「AGC plus」の下、モビリティ分野を戦略事業のひとつに位置づけている。日米欧三極に電波暗室をもつ強みを生かし、〝つながる〟クルマの実現に貢献していく考えだ。