クラレ 岡山工場にメルトブローン不織布の設備増設

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2019年2月21日

 クラレは20日、高機能不織布の需要拡大に対応するため、不織布および不織布製品の製造・販売会社であるクラレクラフレックスの岡山工場に、メルトブローン不織布の生産設備を増設することを決定したと発表した。稼働時期は2020年後半を予定しており、増設後の年産能力は2700t(現在900t)に拡大する。

 メルトブローン不織布は極細繊維により構成される不織布で、その緻密な構造により、マスク用をはじめ各種フィルターなどに使用されている。

 クラレクラフレックスでは、ポリプロピレンによる一般的なメルトブローン不織布にとどまらず、特殊ポリマーを素材に用いた特色あるメルトブローン不織布を製造・販売。近年、クラレクラフレックスが手掛ける独自のメルトブローン不織布、およびそれらを使用した複合シートの需要拡大が続いていることから、生産設備の増設が必要と判断した。

 クラレグループは、創立100周年を迎える2026年のありたい姿「独自の技術に新たな要素を取り込み、持続的に成長するスペシャリティ化学企業」を長期ビジョンに掲げ、その実現に向けた3カ年(2018~2020年度)の実行計画として、中期経営計画「PROUD 2020」を推進している。同社は引き続き、成長に向けた投資を積極的に行っていく考えだ。

クラレの1-12月期 米国工場の火災影響などで減益

2019年2月14日

 クラレは13日、2018年1-12月期の連結業績を発表した。売上高は前年同期比16%増の6030億円、営業利益は同14%減の658億円、経常利益は同18%減の612億円、純利益は同38%減の336億円となった。

 伊藤正明社長は「売上はカルゴン・カーボン(カルゴン社)の連結化や主要な事業において販売が増加し増収となった。営業利益は原燃料価格の上昇、

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クラレ 「プランティック」使用の包装材が韓国で大賞に

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2019年2月13日

 クラレはこのほど、オーストラリア子会社の「プランティック」を使用したコーヒー豆用生分解性パッケージが、韓国の「第8回グリーンパッケージ賞」で大賞を受賞したと発表した。

「プランティック」を使用した生分解性パッケージ
「プランティック」を使用した生分解性パッケージ

 プランティックは特殊なデンプンを主成分とするバイオマス由来のバリア材。クラレの100%子会社であるプランティック・テクノロジーズが製造・販売を行っている。

 酸素バリア性が高く、主に肉や魚などの生鮮食品の包装材として使用する。食品鮮度を保持することで食品ロスの削減につながり、食品産業と環境保全の両面に貢献する。

 大賞を受賞したコーヒー豆用生分解性パッケージは、韓国のコーヒー関連包装材の大手メーカーのソフトパック社が企画・開発。プランティック・テクノロジーズとクラレがプランティックフィルムの薄膜化や製造技術面のサポートを行い、商品化した。

 同パッケージはコーヒー豆の品質、フレーバーを保持する高いガスバリア性と、使用後に少ない環境負荷で処分が可能となる生分解性を併せ持ったバイオマス由来の包装材である。

 中間層に使用されているプランティックを含め、パッケージの部材が生分解性素材で構成されており、アルミ箔などは使っていない。これらの特長が評価されグリーンパッケージ賞大賞を受賞した。

 同賞は韓国環境府と韓国環境包装振興院が共同で主催する公募展。環境に配慮した包装技術とデザインを発掘し、自然保護・資源節約への関心を高めることを目的に、2011年にスタートした。

 公募は大企業から中小企業までが参加する一般部門、大学生を対象とする学生部門の2部門で構成され、環境意識の高まりとともに、同国内でも注目を集めるイベントとなっている。

クラレ 人事(2月1日)

2019年2月1日

[クラレ・人事](2月1日)▽研究開発本部知的財産部長、同本部長補佐中川直▽同本部同部次長(倉敷駐在)三宅洋。

クラレ 3D用新規フィラメントを展示会で発表・展示

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2019年1月30日

 クラレは新たな水溶性3Dプリンタ用サポートフィラメント製品を、東京ビッグサイトで開催中(~2月1日)の「TCT JAPAN 2019」で発表・展示している(ブース番号:6S‐23)。同展示会は、国内最大級の3DプリンティングとAM(付加製造)技術の総合展。

 新製品は、ポリビニルアルコール(PVOH、ポバール)製品ブランドの1つである、生分解性と水溶性を特長とする「モビフレックス」を使用したもの。

 同社の従来品と比べ溶解性を向上させたほか、ポリ乳酸(PLA)・ポリビニルブチラール(PVB)・ポリアミド(PA)・熱可塑性ポリウレタン(TPU)といったさまざまな素材への接着性も向上させた。

 また、同新製品を使用した3Dプリンタ用フィラメントは、優れた印刷適正に加え、空気中では吸湿しにくく、冷水には溶解する特長を持つ。これらの特長から、FFF(熱溶解積層)方式による、可動部品などを含む複雑な構造の3Dプリント成形が可能になる。

クラレ 新機能性材料展で活性炭など高機能素材を出展

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2019年1月28日

 クラレは東京ビッグサイトで30日~来月1日に開催される「新機能性材料展2019」に出展する(東2、3ホール。ブース番号:2N‐17)。「素材で解決!」をテーマに、自然環境と生活環境の向上に寄与するバラエティ豊かな〝マテリアル〟を紹介する。

 主な出展製品は、活性炭「クラレコール」、アクリル系ブロック共重合体「クラリティ」、バイオ由来水素添加スチレン系エラストマー「セプトン」BIO‐シリーズ、EVOHガスバリア性樹脂・フィルム「エバール」、バイオマス原料由来の未来型ガスバリア素材「プランティック」など。

 クラレコールは石炭やヤシ殻などを原料として製造した活性炭で、同展示会へは初出展となる。ブースでは食品・飲料分野を中心に、味の調整や不純物除去などに使用されている活性炭のデモンストレーションを実施。脱色性能の高さを視覚的に演出する。

 クラリティは同社が世界で初めて工業化に成功した新規アクリル系ブロック共重合体(MAM=Methyl‐methacrylate‐Acrylate‐Methyl‐methacrylate)。樹脂改質剤としての使用が可能で、ポリカーボネート樹脂やABS樹脂をはじめとする各種極性樹脂の流動性、耐衝撃性、柔軟性を向上させる。また、その優れた自己粘着性を生かした押出ラミネート加工により、様々な基材に粘着層・すべり止め層を付与できる。

 

クラレ ガラス中間膜のデザインコンペで受賞プロジェクトを決定

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2019年1月24日

 クラレはこのほど、ガラス中間膜「セントリグラス」を対象としたデザインコンペティション「『セントリグラス』イノベーションアワード」で、3件の受賞プロジェクトを決定したと発表した。

 同コンペはセントリグラスの20周年を記念したもの。ガラスを生かした建築物や構造体を対象に、昨年6月から9月にかけて募集を行い、10月にドイツのデュッセルドルフで開催された「グラステック2018」で授賞式を行った。

 同コンペでは世界中の建築家、エンジニア、ファサードコンサルタント、ガラス加工業者から集まったプロジェクトを、建築業界の著名人で構成された国際色豊かな審査委員会が審査し、各部門の受賞プロジェクトを決定した。

 エンジニアリング部門最優秀賞は、エッカースリー・オキャラハン社のジェームズ・オキャラハン氏とリーサ・ラミグ氏による「スティーブ・ジョブズ・シアター・パビリオン・プロジェクト」。

 Apple社とエッカースリー・オキャラハン社の密接な関係により実現した作品で、直径47mのシアター・パビリオンを覆う80tのカーボンファイバー製の屋根は、ガラスだけで支持された構造物としては世界最大となる。

 屋根を支える高さ7mのガラス製の円筒は、厚さ12mmのガラス4枚に、中間膜であるアイオノマーシート「セントリグラス」をサンドイッチ状にはさんだパネルで構成している。

 レジリエンス部門最優秀賞は河南福鑫玻璃の「張家界の大峡谷に架かる壮大なガラス橋プロジェクト」。谷底からの高さ260m、長さ430mの橋で、開通した2016年当時は世界最長で、最も高い場所に架けられたガラス床の橋だった。

 橋の床部分は3×4mの合わせガラスパネルで構成。厚さ50mmのパネルは、16mm低鉄ガラス3枚に、セントリグラス2枚を挟んで作られている。

 エステティクス部門最優秀賞は広東南亮芸術玻璃科技股份の陳銘波氏による「桂林ワンダトラベルセンター(桂林万達文旅展示中心)プロジェクト」。特殊な波型ガラスを採用し、万達(ワンダ)グループの目標である、地域文化と周囲の美しい景観を十分に生かした複合観光施設の創造を実現した。

 セントリグラスは、ガラス越しに景色を見た時に異なる遠近感が得られるガラス構造体の強度向上に貢献している。

 

クラレ 人事③(1月1日)

2019年1月21日

[クラレ・人事③](1月1日)▽鶴海事業所活性炭生産部次長兼同事業所同部加工課上道事務所長川崎修治▽同事業所炭素材料研究開発部長兼同事業所同部活性炭開発グループリーダー吉川貴行▽同事業所同部次長兼同事業所同部電池材料開発グループリーダー人見充則▽クラレトレーディングポバール事業部フィルム販売部長兼同社同事業部同部東京販売グループリーダー山本達也▽出向Calgon Carbon Corporation山田隆之。

 

クラレ 人事②(1月1日)

2019年1月18日

[クラレ・人事②](1月1日)▽イソプレンカンパニーエラストマー事業部品質・商品開発部長兼同カンパニー同事業部同部品質保証グループリーダー岸井史郎▽同カンパニージェネスタ事業部長兼同カンパニー同事業部営業部長兼同カンパニー同事業部営業部市場開発グループリーダー池森洋二▽解兼機能材料カンパニー炭素材料事業部海外営業部長兼同カンパニー同事業部電池材料営業・マーケティング部長、同カンパニー同事業部副事業部長社秀樹▽同カンパニー同事業部国内営業部長今井公泰▽同カンパニー同事業部海外営業部長宮澤伸治▽同カンパニー同事業部電池材料営業・マーケティング部長石川二朗▽解兼繊維カンパニー繊維資材事業部生産管理部長、同カンパニー生産技術統括本部生産技術統括部長柏木俊二▽同カンパニー生産技術統括本部生産技術統括部主管山川樹▽同カンパニークラリーノ事業部先端マテリアル部長石原義夫▽解兼同カンパニー同事業部同部長、同カンパニー同事業部ライフスタイルマテリアル部長本田省治▽同カンパニー繊維資材事業部原料資材第一部長飯田江理夫▽同カンパニー同事業部原料資材第二部長小林敬幸▽同カンパニー同事業部原料資材第三部長乗竹宏明▽同カンパニー同事業部生産管理部長大前好信▽倉敷事業所ポバールフィルム研究開発部長辻嘉久▽同事業所総務部長板谷利昭▽岡山事業所ポバール・エバール生産・技術開発部長中野賢一▽新潟事業所メタアクリルシート部材生産部長付渡辺徹▽同事業所同部長伊橋徹▽同事業所メタアクリル開発部長兼同事業所同部シート開発グループリーダー社地賢治。

《化学企業トップ年頭所感》 クラレ 伊藤正明社長

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2019年1月10日

 昨年を振り返ると、クラレグループが100周年を迎える2026年の有りたい姿「独自の技術に新たな要素を取り込み、持続的に発展するスペシャリティ化学企業」の実現に向け、新しい中期経営計画「PROUD2020」をスタートさせた。第一歩となる初年度では、施策面では中計で掲げた課題の解決・克服に向けて着実に実行できたと考えている。

 次に中計2年目となる2019年度の経営環境は、米国トランプ政権の保護貿易政策、特に中国との貿易戦争の激化と長期化のリスクをはじめ、さまざまな不安材料が世界に散在している。慎重な運営を心掛ける必要はあるが、当面は穏やかな経済状況が続くと見ている。

 そして今年は、昨年買収したカルゴン・カーボン社との統合作業の第一段階を終えて、シナジー効果を具体的な成果として生み出していかなければならない。また、タイのイソプレン関連事業の拡大を目指すプロジェクトが、いよいよ動き始める。この他にも新ライン・新工場の稼働などが予定されていることに加え、本年は中期計画に沿った次なる投資提案やプロジェクトがドンドン出てくるものと期待しており、非常に楽しみな一年だ。2020年度の中期経営計画達成に向けて、しっかり地に足をつけて着実な実行をお願いする。

 ここで、私がいつも申し上げていることを繰り返す。1つ目は安全について。「安心して働ける会社、事故や災害が起こらない会社」を目指して、全員が「安全はすべての礎」ということを念頭において、自らの責任として無事故・無災害を目指して仕事に取り組んでいただきたい。

 2つ目はクラレグループで働く社員が、「そこで働くことに誇りを持てる会社」を目指すということ。クラレが真にグローバルで良い企業グループとして世界から認知してもらうためには、コンプライアンス体制を一層強化していくことが欠かせない。また、女性活躍も含めた働き方改革は、さまざまな個性を持った人達が安心して働ける職場、働きやすく、働き甲斐のある職場をつくっていくことを目指している。

 3つ目に長期ビジョンのありたい姿でもある「独自の技術に新たな要素を取り込み、持続的に発展していく会社」について、もう一度触れておく。独自技術をベースにして、クラレの内外にある新しい技術・力を活用して、既存事業はさらに強く大きくするとともに、今後の成長を期待する事業は新用途の開拓や新技術・新製品による早期の拡大と収益向上を図り、今後も成長を続けていく会社となるよう頑張ろう。