三井化学は、ICT(情報通信技術)材料での新事業創出に向けて、スタートアップとの連携を強化している。このほど行われた経営概況説明会の中で、CTOの松尾英喜代表取締役専務執行役員は、半導体パッケージ受託開発スタートアップのコネクテックジャパン(新潟県妙高市)との戦略的提携を明らかにした。
コネクテックジャパンの強みは極低温・低荷重環境下での実装技術。半導体チップやセンサー、モジュールなどの実装形態に応じ、セラミック・有機・フィルムなど様々な基板材料への、80℃以下の低温実装が可能になることから、ダメージフリープロセスを実現し、熱に弱い基材やチップの使用を可能にした。
三井化学は先月、プリンテッド・エレクトロニクス分野のスタートアップ、エレファンテック(東京都中央区)との戦略的提携を発表。また、セイコーエプソンや住友商事らとともに、技術開発支援に向けた同社への出資も行った。エレファンテックは、フィルム基材に銀ナノインクのインクジェット印刷と銅メッキで生産するフレキシブル基板(FPC)の製造・販売を行っている。
同提携でエレファンテックは三井化学の名古屋工場内に、来年9月の完工をめどにインクジェットによるFPC量産ライン(最大5万㎡/月)を構築する。「名古屋にしたのは、