三菱マテリアルはこのほど、2018年設立の連結子会社ニューエナジーふじみ野(NEFC)が食品廃棄物のバイオガス化および発電電力販売の目的で、昨年7月より建設を進めていたプラント施設が営業運転を開始したと発表した。
NEFCは、食品工場や小売店などの食品関連事業者から排出される食品廃棄物を1日あたり40t処理、得られたバイオガスで発電し(出力550kW)、FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)で売電する。市川環境エンジニアリング、コープデリ生活協同組合連合会、生活協同組合コープみらいも出資している。
日本国内の食品廃棄物量は年間約1600万tで、約7割は焼却処分されている。一方、国内の廃棄物最終処分場は新設が難しく、残余年数は約20年といわれ、最終処分量削減による延命対策が求められており、焼却で発生するCO2の削減も、地球温暖化防止上の課題だ。
三菱マテリアルグループの企業理念「人と社会と地球のために」の下、「ユニークな技術により、人と社会と地球のために新たなマテリアルを創造し、持続可能な社会に貢献するリーディングカンパニー」となることをビジョンとし、中期経営戦略で解決すべき重要な社会課題として「都市廃棄物の効率的処理」「CO2排出量削減」を掲げている。
NEFCは食品廃棄物のバイオガス化と発電に加え、処理過程で発生する廃プラ、汚泥などを三菱マテリアルのセメント工場で原料や熱エネルギー代替として再資源化する独自の事業スキームにより、最終処分廃棄物ゼロ、CO2排出量削減を可能とし、最終処分場の延命や地球温暖化防止にも寄与する。
同社グループは、NEFCの食品廃棄物バイオガス事業を通じて、循環型社会の構築に貢献していく。