日本触媒 第Ⅰ相臨床試験向けに核酸医薬の原薬を製造

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2021年3月30日

 日本触媒は29日、TAK-Circulator(TAK)とプロジェクトを進める、ステロイド抵抗性難治重症喘息を対象とした核酸医薬品「TAKC-02(開発コード)」について、中分子原薬製造施設で第Ⅰ相臨床試験向け原薬のGMP製造を完了し出荷したと発表した。

中分子原薬合成施設
中分子原薬合成施設

 両社はTAKが東京大学との共同研究成果を基盤に開発した「TAKC-02」の共同商業化契約を締結しプロジェクトを推進。「TAKC-02」はサイトカイン類の産生に関与するMex3B遺伝子を標的とするアンチセンス核酸医薬。吸入投与によりMex3B遺伝子の発現が抑制されると、炎症性サイトカイン類の産生が抑制され、難治性重症喘息の改善が期待される。既存医薬品が有効性を示さないステロイド抵抗性難治重症喘息に関し「TAKC-02」が承認されれば医療ニーズに応える治療薬となる。日本触媒は原薬の供給者として、また、パートナーとして「TAKC‐02」開発に寄与していく。

 一方、日本触媒にとっては、2019年に竣工したGMP準拠の中分子原薬製造施設による初の製造・出荷となる。同製造施設は、核酸医薬をはじめとする中分子原薬製造のための複数の製造ラインをもち、様々な顧客からのニーズに対応した核酸原薬製造を受託できる体制を整えている。今回の製造実績をもとに、4月から本格的に中分子原薬の受託製造事業を展開する。同社は、様々な核酸医薬品の供給を推進し、人々の生命・健康を支え、社会の継続的発展に貢献していく考えだ。

日本触媒 バイオベンチャーと業務提携、増資を引き受け

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2019年9月11日

 日本触媒は10日、TAK‐Circulatorと、TAK‐Circulatorが開発したステロイド抵抗性難治重症喘息を対象とした核酸医薬品「TAKC‐02(開発コード)」(Gapmer型アンチセンス核酸)について、共同商業化契約を締結したと発表した。

 同剤は好中球や好酸球の遊走・浸潤に関与する生理活性物質を制御し、気道炎症を抑制することが期待されており、特に好中球性の重症喘息薬としては初めての薬剤となる。また、これを機にTAK‐Circulatorの第3者割当増資を引き受けることで合意、出資を完了した。

 TAK‐Circulatorは、東京大学保有の革新的な研究シーズを事業化し、皮膚細菌叢解析サービスであるマイクロバイオーム事業と、核酸医薬などの創薬事業を展開。TAK‐Circulatorの核酸医薬創薬開発を促進するため、日本触媒は2016年に出資し資本提携を行った。

 その後、両社は核酸医薬の開発・製造の面で業務提携を実施するため協議を推進。TAK‐Circulatorで開発候補品「TAKC‐02」が創出された後、前臨床試験の準備が進み、日本触媒では受託製造環境整備が進んだことで、今回、共同商業化契約の締結と出資拡大に至った。

 今回の業務提携では、主にTAK‐Circulatorが非臨床試験・臨床試験の実施や承認申請を担い、日本触媒は治験薬製造と各臨床試験、承認申請を支援することで、共同で「TAKC‐02」の早期商業化を目指す。

 GMP(適正製造規範)原薬の製造は、日本触媒が今年7月に竣工式を行った中分子原薬合成施設で行う計画で、2020年からGMPでの製造を本格的に開始する。日本触媒は、今回の提携を通じて核酸医薬品の開発を推進することにより社会への貢献を目指すとともに、健康・医療事業の発展に取り組んでいく考えだ。