帝人はこのほど、パラ系アラミド繊維「テクノーラブラック」が、シャープのスマートフォン「AQUOS zero」の背面パネルに採用されたと発表した。
「テクノーラ」は、同一重量の鉄の8倍の強度をもち、耐衝撃性、耐熱性にも優れる、帝人が開発した共重合タイプのパラ系アラミド繊維。ロープ、エンジンのタイミングベルト、競技用車両のシートやボンネット、航空宇宙用途などに幅広く採用されている。
テクノーラブラックはテクノーラの紡糸段階で顔料を混練させたもので、耐候性の高さから、消防服やヨットセールなど屋外で使用される製品への採用が進んでいる。
アラミド繊維を複合した強化プラスチックは、軽量で絶縁性があり誘電率が低いため電波障害が起こりにくい。この特長から、高速通信化が進むモバイルデバイスへの貢献が期待されている。特に、テクノーラブラックはアラミド繊維の特性に加え、対候性と意匠性にも優れている点が評価され今回の採用となった。
同社は今後も、「未来の社会を支える会社」になるという長期ビジョンの実現のため、多彩な高機能素材を活用し、さまざまな分野に向けてソリューションを提供していく考え。
なお、AQUOS zeroは今月21日に発売されたフラッグシップモデル。背面パネルにテクノーラブラック、ディスプレイに有機EL、筐体フレームにマグネシウム合金を採用している。素材にこだわり、軽量化(約146グラム)と高強度を実現した。