ドイツの特殊化学品メーカーのランクセスは、このほどドイツ・ハノーバーで開催された「タイヤ・テクノロジー・エキスポ 2019」に出展した。
同展示会では、ラインケミービジネスユニットとアドバンスト工業化学品ビジネスユニットの環境に優しい離型剤「レノディブ」、タイヤ加硫用ブラダー「レノシェイプ」、アラミド繊維マスターバッチ「レノグラン」、添加剤、促進剤、分解防止剤など、タイヤメーカー向けの幅広い製品群と多様なソリューションを紹介した。
このうち、「レノディブ」については、加硫後、レーザー技術で除去できるシリコン系離型剤製品に加えて、完全にシリコンフリーの製品を開発した。同製品は特殊な離型剤によって、容易に洗い流すことができる。
また、永久的にコーティングされたタイヤ加硫用ブラダー「レノシェイプ」を使用すると、追加の離型剤を用いずにタイヤの加硫が可能となる。これにより、加硫されたタイヤから離型剤を除去する必要がなくなり、グリーンタイヤ(加硫前の生タイヤ)への噴霧工程が不要となるため、重要なタイヤ部分の離型剤残渣と作業場所での汚染がなくなる。
一方、ジチオリン酸塩は、従来から使用されている促進剤(スルフェンアミド、チウラム、カルバミン酸塩)の代わりとなるニトロソミアンフリー加硫促進剤で、モノ架橋とジスルフィド架橋を形成する。そのメリットは、熱安定性を高め、リバージョン (加硫戻り)を起こしにくいこと。さらに、優れた溶解度で、すべての一般的なゴムタイプに使用することができる。
ラインケミーは、ジチオリン酸塩を、マスターバッチの「レノグラン」ブランドとしてだけでなく、液体またはドライリキッドで「レノキュア」ブランドとしても提供している。