デンカ 建造物の計測・診断技術で新サービスを開発

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2020年12月22日

 デンカはこのほど、主要グループ会社デンカリノテック(東京都中央区)が熊本県高森町、KYOTO,S 3D STUDIO、Wee-vaの4者間で3D計測・診断技術導入による新サービスの開発・提供を目的とした業務提携協定を締結したと発表した。

熊本県高森町での記者会見
熊本県高森町での記者会見

 最先端の3D技術を基軸に、高森町の歴史的文化財を含む建築構造物や鉄道車両などの保全・保護のほか、町の伝統行事のアーカイブや観光事業振興などの業務の効率化につながる新たなサービスの創出を目指す。

 デンカリノテックは、コンクリート構造物の調査・診断を通じた最適な補修・補強を手掛けており、360度3Dデジタル計測により建築構造物を線画化し、精度の高い設計・施工から維持管理まで応用展開している。図面や設計図がない構造物にも適用できるため、文化財保全の一環として、世界文化遺産の京都醍醐寺の3D計測を昨年実施した。

 デンカグループは経営計画「Denka Value-Up」で、高付加価値インフラ事業をヘルスケア、環境・エネルギーに並ぶ重点分野と位置付けている。デンカリノテックの3D計測・調査診断技術とデンカの特殊混和材などの無機材料を組み合わせて、高付加価値インフラでの事業拡大につなげていく。

デンカ 構造物診断技術による文化財保全事業に参画

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2019年9月4日

 デンカとグループ会社のデンカリノテックは、リノテックのコンクリート構造物の診断技術を活用し、世界文化遺産である京都・醍醐寺の文化財保全事業にKYOTO’S 3D STUDIOを通じて参画した。今回の取り組みは、第25回国際博物館会議京都大会(1~7日:国立京都国際会館)の醍醐寺ブースで紹介している。

醍醐寺三宝院唐門
醍醐寺三宝院唐門

 リノテックの診断技術は360度全方向へのレーザースキャニングにより、文化財などでの構造点群データを取得し、そのデータ情報を元に設計・施工から維持管理を行うもので、図面や設計図がない構造物にも適用することができる。

 加えて、損傷状況や修復履歴などの維持管理情報を三次元構造物モデルに関連づけしたBIM/CIMに応用し、立体的な資料として効率的に一元管理することが可能だ。

 さらに今後は、こうした3Dデジタル計測技術を、デンカが創業以来培ってきた無機材料設計・補修材料・施工技術と組み合わせることで、種々ある文化財のうち、歴史的価値の高いコンクリート構造物の効率的な長寿命化・高耐久化などにも取り組んでいく。

 デンカグループは経営計画「Denka Value‐Up」の下、「基盤事業のスペシャリティー化」を進めている。後世に伝え続けていかねばならない文化財保全事業の一翼を担うべく最先端の高付加価値インフラソリューションを提供し、SDGs(持続的な開発目標)の1つである「住み続けられるまちづくり」の実現に貢献していく考えだ。