デンカ ポリビニルアルコールの製造合弁会社を解消、100%子会社化

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2020年3月23日

 デンカは19日、ポリビニルアルコール(PVA樹脂)の製造会社「DSポバール(出資比率:デンカ51%、積水化学工業49%)」の合弁を解消すると発表した。

 DSポバールは、2010年に積水化学との共同出資で設立。デンカは積水化学保有の全株式を3月末日に買い取り、100%子会社化することでスペシャリティー化を加速する。デンカは経営計画「Denka Value‐Up」の中で、基盤事業のスペシャリティー化を成長戦略の1つに位置づけている。

 PVA樹脂は水溶性、ガスバリア性、乳化性、生分解性、生体適合性などさまざまな特長を持つことから幅広い用途に使用でき、環境負荷低減をはじめとする社会的な課題に対応できる素材。

 同社は、これまで培ってきた高分子樹脂の精密重合・合成技術などの基盤技術を生かし、塩ビ分散剤や油井セメント用逸水防止剤用途などの高付加価値品の開発に注力し、外部環境の影響を受けにくいスペシャリティーグレードの比率拡大を進めていく考えだ。

 

デンカ 独で用地を取得、ノロワクチンなどの研究開発を加速

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2020年3月16日

 デンカはこのほど、グループ会社であるドイツ・アイコン社がヘルスケア事業強化の一環として、新施設建設のための用地取得に関し、ザクセン=アンハルト州ハレ市と契約を締結したと発表した。

 現在、デンカグループではアイコン社を中心に技術のプラットフォーム「magnICON(マグニコン)」(植物を利用した遺伝子組み換え技術の1つ)を用いてノロウイルスワクチンや検査試薬に使われる原料などの研究開発を推進。ノロウイルスワクチンについては欧州での第Ⅰ相臨床試験の治験届を2月に提出している。

 これらの研究開発の進展に伴い、施設の増強が必要なことから、アイコン社近傍のハレ市ヴァインウェルグキャンパス技術団地に約5万㎡の用地を取得し、研究開発や製造などの中核拠点となる施設を建設する。

 デンカグループは経営計画「Denka Value‐Up」の中で、ヘルスケア事業を重点3分野の1つと位置づけ経営資源の集中を図っている。

 今回の投資によりアイコン社の新規事業や製品開発を加速させ、感染力が強く、有効な予防法や治療方法が確立されていないノロウイルス感染症のワクチン早期実用化など社会課題の解決を目指していく方針だ。

デンカ 大牟田工場で新総合事務所を竣工、生産性向上へ

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2020年3月2日

 デンカは、27日に大牟田工場(福岡県大牟田市)の新総合事務所「Omuta Innovation Hub(オオムタイノベーションハブ)」が竣工したと発表した。

大牟田工場
Omuta Innovation Hub(オオムタイノベーションハブ)

 「Omuta Innovation Hub」は製造部門と間接部門が一体感を高め、業務プロセス改革や働き方改革により、生産性向上を図ることを目的に設立した。

 これまで点在していた製造・研究・生産技術部門を集約し、工場のハブ(中枢)として一体的・機能的な運営を実現するとともに、コミュニケーションしやすい未来型のレイアウトを採用し、快適な職場環境を提供していく。

 大牟田工場は1916(大正5)年に、大牟田の石炭コンビナート地帯でカーバイドと石灰窒素肥料を製造する、無機化学製品の工場として操業を開始した。その後、高温処理技術や窒化反応技術を発展させ、電子部品や高機能セラミックス製品を生み出してきた。

 中でも、デンカの主力商品であるアセチレンブラック、窒化ケイ素、ANプレート、SNプレート、球状シリカ・ アルミナ、蛍光体は、ゼロ炭素社会を目指したxEVに代表される自動車産業や、5Gなどのメガトレンドを見据えた高機能製品として、社会発展と地球環境保全に向けて一層貢献していくものだ。

 デンカは「Omuta Innovation Hub」完成を機に、大牟田工場を将来に向けた新たな製品開発を推進していくイノベーションの拠点にするとともに、地域の人たちに貢献できる「世界の工場」として、持続的な成長を目指していく。

デンカ 新工法を採用した水力発電所の建設進む

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2020年2月26日

自社特殊混和材も使用、現場の課題解決に貢献

 デンカが北陸電力と共同出資する、黒部川電力の新水力発電所「新姫川第六発電所」の建設工事が着々と進められている。

 同発電所の建設工事では、既設の「姫川第六発電所」の取水設備を有効活用し、新たに導水路・水槽・水圧管路・余水路・発電所・放水路・放水口を建設する計画だ。このうち導水路のトンネル工事には、水力発電の一層の普及につながると期待される、鹿島建設とコマツが共同開発した新しい技術が採用されている。

 トンネル工事に使われる代表的な掘削機には、高速掘進が特長の

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デンカ 住設事業のソリューションカンパニー設立

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2020年2月13日

 デンカはこのほど、プラスチック製雨どいをはじめとした住設事業と、金属雨どいの製造・販売会社である100%連結子会社の中川テクノを統合し、来年年4月1日付で住設事業のソリューションカンパニーを設立すると発表した。

 今後、この新会社にグループの経営資源を集約し、営業力を強化するとともに、「省施工」「軽労化」「環境対応」をキーワードとした新製品開発と新規事業の創出により、スペシャリティー化を加速していく考えだ。

 デンカは経営計画「Denka Value‐Up」の中で、基盤事業のスペシャリティー化を成長戦略の1つに位置づけ、外部環境の影響を受けにくいスペシャリティーグレードの比率拡大やソリューションビジネスへのシフトを推進している。今回の取り組みはその一環となる。

デンカの4-12月期 販売価格差・減販が響き減収減益

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2020年2月10日

 デンカが7日に発表した2019年度第3四半期の連結決算は、売上高が前年同期比7%減の2887億円、営業利益は3%減の240億円、経常利益は6%減の227億円、純利益は9%減の167億円だった。

 球状アルミナ、アセチレンブラックなど車両電動化関連製品の販売好調が継続し、デンカ生研の検査試薬やインフルエンザワクチンの販売も前年を上回った。その一方で、原材料価格下落に応じたスチレン系製品の販売価格の改定に加え、クロロプレンゴムや半導体関連製品(高機能フィルム・球状溶融シリカフィラーなど)の販売数量が減少したことなどから、減収減益となった。

 セグメント別に見ると、エラストマー・機能樹脂部門の売上高は16%減の1121億円、営業利益は82億円。スチレンモノマープラントの非定修年であったことに加え、デンカシンガポール社のスチレン系樹脂のスプレッドは改善したが、クロロプレンゴムの販売数量が減少し、21億円の減益となった。

 インフラ・ソーシャルソリューション部門の売上高は前年同期並みの413億円、営業利益は4億円。製品価格改定による収支改善が進んだことなどにより黒字化した。

 電子・先端プロダクツ部門の売上高は2%増の499億円、営業利益は85億円。生産体制強化に伴う固定費増加や、高機能フィルムの販売減などのマイナス要因はあったものの、車両電動化関連製品の販売が伸長し増益に貢献した。

 生活・環境プロダクツ部門の売上高は6%減の281億円、営業利益は前年同期比8億円の減益。プラスチック雨どいと工業用テープの販売はおおむね前年同期並みだったが、合繊かつら用原糸「トヨカロン」や、食品包材用シートとその加工品などの販売減が響いた。

 ライフイノベーション部門の売上高は7%増の287億円、営業利益は63億円。デンカ生研の検査試薬やインフルエンザワクチンの販売が好調に推移し、19億円の増益となった。なお、通期業績予想は前回予想を据え置いた。

デンカ 「IPXシリーズ」を本格販売、成長戦略の一環で

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2020年1月22日

 デンカはABS耐熱付与材「デンカIP」の新グレード「デンカIPXシリーズ」の本格販売を開始した。経営計画「Denka Value‐Up」の成長戦略である「事業ポートフォリオの変革/基盤事業のスペシャリティー化」の一環。

 「IPXシリーズ」は「デンカIP」の特性である高い耐熱性と低VOC(揮発性有機化合物)に加え、耐薬品性・塗装性の改善など、各性能を向上させた。同社が長年にわたって高分子樹脂設計で培ってきた、スチレン系の精密・重合技術をより深化させることで実現した。

 近年、自動車業界では安全基準の厳格化やハイブリッド・EV化により、さまざまな部品の複雑化や軽量化が進んでいる。それに伴い、各種部品の原料である樹脂には、耐熱性・耐薬品性・塗装性をはじめとする、多機能化・高機能化のニーズが高まっている。

 「IPXシリーズ」は、そうした自動車内外装材用途を中心とした、高度なニーズに幅広く対応できる。すでに千葉工場(千葉県市原市)で「IPXシリーズ」の量産体制を構築しており、2022年には年間4千tの販売を計画している。

 「デンカIP」は独自の重合技術により開発された、スチレン系合成樹脂。ABS・ASA樹脂の耐熱付与材、PA/ABSの相溶化剤として、自動車内外装や電子レンジ・エアコンなどのホームアプライアンスに幅広く使われている。同社は今後も独自の技術を生かし、顧客ニーズに応じた高付加価値製品の開発に取り組んでいく。

デンカ フッ素系フィルムが隈研吾氏監修のイベント施設に採用

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2020年1月20日

 デンカはこのほど、建築構造膜用途への展開を進めている高機能フッ素系フィルム「TEFKA」が、隈研吾氏監修のイベント施設「CLT PARK HARUMI パビリオン棟」に採用されたと発表した。

 同フィルムはフッ素系樹脂のフィルム製膜・加工技術を生かして開発した製品で、耐候性・難燃性・二次加工性などの優れた特長に加え、ガラス並みの高い透明性と光透過性を持つフッ素素材ECTFE(エチレン・クロロトリフルオエチレン共重合体)フィルム。今回CLT(直交集成板)を使用した建築物向けに、同社として初めての採用となった。

 隈氏は「ガラスより軽くて柔らかいので丸めて持ち運ぶことができる。移築するのにぴったりの素材で、僕らが求める完璧な透明性があった」とコメントしている。

 デンカは、経営計画「Denka Value‐Up」の下、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けた製品・技術の開発に取り組んでいる。「TEFKA」をはじめとした高機能フィルムの提供を通じ、安全で快適なまちづくりに貢献していく。

デンカ オールスターに協賛、女子バスケの魅力伝える

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2020年1月17日

 デンカは19日にアリーナ立川立飛(東京都立川市)で開催される、バスケットボール女子日本リーグ(Wリーグ)のオールスターゲーム「Wリーグオールスター2019‐20 in TOKYO」に冠協賛する。

 今夏東京で開催する国際大会で世界の強豪に挑む日本代表選手「AKATSUKI FIVE」など、トップ選手が一堂に会し試合を行うほか、Wリーグ屈指のシュートの名手たちが行う「3ポイントコンテスト」、スピードやテクニックなどスキルを競う「スキルズチャレンジ」などのイベントを開催する。

 開場は午前10時で、試合前イベントは午前10時~午後3時、試合は午後4時~6時ごろを予定している。試合前イベント・試合ともにBS‐TBSバスケットLIVEで生中継し、午後6時~8時には全イベントを実況解説付きでDELAY配信する。

 ヘルスケア事業を経営の柱とし、スポーツ振興を社会貢献方針の1つに掲げるデンカは、このオールスターゲームが多くの人に女子バスケットボールの魅力を伝える機会となることを期待するとともに 今後もスポーツ振興に貢献していく方針だ。

デンカ 新たな高耐熱アクリル系特殊エラストマーを開発

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2020年1月16日

 デンカは15日、経営計画「Denka Value‐Up」(2018~2022年度)の成長戦略である「事業ポートフォリオの変革/スペシャリティー事業の成長加速」の一環として、アクリル系をベースに高耐熱性を実現した特殊エラストマーを新たに開発したと発表した。

 近年、世界的な環境規制の高まりを受けて自動車市場では電動化の流れとともに、ディーゼル車からターボ機能を搭載したガソリン車へ注目が集まっている。ガソリン車ではさらなる環境負荷低減に向けてエンジンのダウンサイジング化が進み、高出力を可能にする耐熱性に優れたターボホース用のゴムが求められている。

 こうした環境対応による高耐熱ゴムのニーズを受け、今回新たに開発した特殊エラストマーは、同社がアクリル系特殊ゴム「デンカER」で培った高分子ポリマー設計技術、精密重合・配合技術を応用・深化させることにより、耐油性などの従来の優れた性能を保持しつつ、アクリル系エラストマーとしてこれまで困難であった約190℃の温度領域下での高耐熱性を実現した。

 デンカは、今後も独自の技術を生かした製品開発に取り組み、新たな価値を創造することで持続可能な社会の実現に貢献していく。