日本製紙はこのほど、日本製鋼所と共同で木材由来の木質バイオマスを高配合した樹脂複合材料「トレファイドバイオコンポジット」を開発した。プラスチック使用量を5割以上削減でき、温室効果ガス排出量の削減にも寄与する。
木粉やパルプなどの木質バイオマスと樹脂との複合材料には耐熱性や成形性に課題があったが、同社の新規バイオマス固形燃料のトレファクション技術で木質バイオマスに耐熱性、粉砕性、疎水性を付与することで解決した。これは樹脂の融点以上の高温(250~300℃)で木質バイオマスを低温炭化させる技術で、木質バイオマスの耐熱性が上がり、樹脂との混練・成形時に発生する熱分解ガスを抑制する。粉砕性に優れ容易に微粉化するため、複合材の流動性が高く複雑な加工が可能だ。さらに疎水性が上がるため樹脂中での分散性が向上し、複合材の強度が上がる。
この木質バイオマス材料を、日本製鋼所製の二軸押出機「TEXシリーズ」の混練技術で樹脂に高配合し、耐熱性や成形性に優れた「トレファイドバイオコンポジット」を生み出した。今後は、建材、食品容器・器具、家電製品、園芸など、様々な分野での用途開発により、「トレファイドバイオコンポジット」の商品化を進める。