帝人 パラ系アラミドのライフサイクル、CO2を削減

, , , ,

2021年7月12日

 帝人はこのほど、アラミド事業を展開する蘭テイジン・アラミドが、パラ系アラミド「トワロン」のライフサイクルにおけるCO2排出量を30%削減(2014年対比)したと発表した。これは、外部団体によるISO規格に則した最新のライフサイクルアセスメント(LCA)調査により示されたもの。テイジン・アラミドが長年にわたり、「トワロン」のライフサイクルにおける持続可能性、生産工程の改善、100%再生可能電力への移行などに注力してきた成果になる。

 テイジン・アラミドは、2011年より環境配慮や経済価値における顧客利益向上のための独自手法「カスタマー・ベネフィット・モデル(CBM)」を用いることで、「トワロン」を使用した顧客製品においても環境負荷が低減することを示してきた。 また、最近では、さらなる環境負荷低減に向けてグリーンエネルギーの活用を強化することとし、欧州エネルギー証明制度(EECS)の一環であるエネルギーの属性証明(GO)を取得し、風力エネルギーの使用を開始。これにより2021年内には、オランダ国内の生産拠点における総電力消費量を、全てグリーンエネルギーで賄うことが可能となる見込みだ。さらに、「トワロン」の物理的、化学的、機械的なリサイクルの拡大にも注力しており、使用済み製品を回収するための新たな物流システムの構築にも取り組んでいる。

 テイジン・アラミドは、今後もエネルギー消費量の削減、グリーンエネルギーの導入、リサイクル技術の向上など、持続可能な循環型社会の実現に向けた事業戦略をさらに強化し、帝人グループとして、2050年度までにCO2排出量を実質ゼロとすること、および長期ビジョンである「未来の社会を支える会社」になることを目指していく。

「トワロン」ライフサイクルにおけるCO2排出量

帝人 パラ系アラミドのLCA評価、データシートを公表

, , ,

2021年3月4日

 帝人は3日、グループ会社であるオランダのテイジン・アラミドが、ライフサイクルアセスメント(LCA)の評価資料として、パラ系アラミド「トワロン」の持続可能性に関する情報を開示するエコデータシート(英文)を作成・公表すると発表した。

 アラミドはその特性から、幅広い用途での軽量化や高耐久化、省資源・省エネルギー化などに貢献している高機能素材。その中核を担うテイジン・アラミドは、帝人グループの企業理念である「QOLの向上」に資するため、環境配慮や経済価値について顧客利益の向上に向けた取り組みを強化している。

 それを体現する施策として、20年以上にわたり使用済みとなったアラミド製品のリサイクルを推進しているほか、「トワロン」の使用による環境への影響を定量化することができる独自の換算システムも導入。2019年度には、「トワロン」を使用したタイヤやコンベアベルトが21万5千t以上のCO2排出の低減に貢献することを算出した。

 今回作成・公表するエコデータシートには、生産工程のCO2排出量や、リサイクル性、国際規格に基づく化学物質や環境に関する規制対応などについての情報が記載されている。テイジン・アラミドは、このエコデータシートで自社製品の持続可能性を開示することにより、企業の社会的責任を果たすとともに、SDGsの実現に向けた取り組みを一層加速していく。