ユニチカ 植物由来PTT樹脂と綿の複重層紡績糸を開発

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2020年10月20日

 ユニチカトレーディングはこのほど、同社独自の特殊複重層糸技術「パルパー製法」による新たな紡績糸「パルパーMade with Sorona Polymer」の開発に成功したと発表した。米国デュポンバイオマテリアルが製造しデュポン・スペシャルティ・プロダクツ(東京都千代田区)が供給する部分植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂「デュポン ソロナ」と綿による特殊複重層糸で、両方の特性を兼ね備えている。

 世界の温室効果ガス排出量の1割はファッション産業によるもので、石油産業に次ぐ規模だ。同社は早くから繊維メーカーの課題としてエネルギーや水、有害化学物質への具体的対策を行ってきた。

 デュポン「ソロナ」ポリマーは37%植物由来のPTT樹脂で、品質や機能を損なわずに環境負荷を軽減できる。抜群のやわらかさ、ストレッチと回復性をもつ繊維としてアパレル用途に使用されている。

 ユニチカ「パルパー」は芯が主にポリエステル、鞘が綿の複重層糸で、綿の肌触りとポリエステル混の高強力物性をもち、綿に比べシワになりにくく洗濯収縮性に優れ、ポリエステルと比べて吸水速乾性や静電気抑制に優れる。

 「パルパーMade with Sorona Polymer」は両社のパートナーシップから生まれた新素材で、適度なハリ・コシとよりソフトな肌触りを実現。PTT繊維の最大の特徴であるストレッチ性により快適に着用でき、従来の「パルパー」と比べてもイージーケア性、吸水速乾性、抗ピリング性(毛玉)に優れた製品に仕上がる。原糸のほかニット・織物各種テキスタイルやOEM・ODM製品として来月から販売を開始し、初年度は3億円、3年目には20億円の売上を目指す。

「パルパー Made with Sorona Polymer」のイメージ画像
「パルパー Made with Sorona Polymer」のイメージ画像