ヘンケル パワートレインの電動化を推進

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2019年3月6日

 ドイツの化学・消費財メーカーのヘンケルは、バッテリー製造のバリューチェーンに包括的ソリューションを提供することで、パワートレインのエンジンから電動化への変換を推進する。

 同社がバッテリー産業の課題として認識しているのは3点。1つ目はバッテリーの「容量」。その課題解決のためには、何百・何千ものバッテリーパックの構成材料に接着剤を付ける組み立て工程で、高速に硬化し短いサイクルタイムを実現することが必要だという。

 2つ目は運転の「安全性」。例えばバッテリー材料は、UL94燃焼性基準といった難燃性要件に従わなければならない。

 3つ目は電気自動車(EV)性能のため「メンテナンス性」を確保すること。バッテリーパックのハウジング材が開閉できるように、シールする技術が必要となる。

 この課題に対し、同社では8つの従来ソリューション提案により、顧客にソリューションとサービスを提供している。 

 具体的には「バッテリーアッセンブリー用接着剤」「ギャップフィラー」「熱伝導性接着剤」「液状ガスケット」「バッテリー用構造接着剤」「金属の前処理」「導電性塗料」「含浸サービス」である。

 このうち、バッテリーアッセンブリー用接着剤では多数の製品を提供しており、例えば「Loctite AA 3525」は、紫外線を使うと15秒以内で固化できる。ギャップフィラーは新開発の特殊な熱伝導性シリコンフリー製品。最も厳しい環境下で3W/m・Kの放熱性能を発揮し、ギャップの安定性とロバスト性を長期に保証する。熱伝導性接着剤のうち、「Loctite UK 6800」は二液ポリウレタン製品で、1.9W/m・Kの熱伝導性を持つ。熱膨張率の異なる基板にも、10MPaの剪断強度と44%の伸び率により、優れた接着性を発揮する。

 同社では、これら既存のソリューションを顧客に提案していくが、それだけでは顧客の要望を賄いきれない可能性もある。その場合には「顧客ごとに既存のソリューションを改良したり、新たなソリューションを開発したりすることで、顧客ニーズに対応していく」(ヘンケルジャパン・トランスポート&メタル事業本部)方針だ。