カネカはこのほど、5G高速高周波対応の超耐熱ポリイミド(PI)フィルム「ピクシオ IB」を開発したと発表した。10月からサンプル提供を開始しており、2021年からの本格販売を予定している。
「ピクシオ IB」は、同社が長年蓄積した高度なPI開発技術で高周波帯における誘電正接をPIフィルムで世界最高レベルの0.0025まで低減させた。これにより高速通信を実現できる5Gのミリ波帯への対応が可能となった。4Gの約100倍の通信速度と言われる5G対応スマートフォンが登場し、世界のスマートフォン市場における5G対応機種は今後急速に拡大する見通し。
同社は5G対応製品として、Sub6帯に対応可能な「ピクシオ SR」に、ミリ波帯対応の「ピクシオ IB」を加え、ラインナップを拡充しデジタルデバイスの高機能化を支える素材として拡販していく。
同社は、高速情報通信を支える素材として超耐熱PIフィルム「ピクシオ」で高いマーケットシェアを持っているが、今後もガラス代替フレキシブルディスプレイ用透明PIフィルム、有機ELディスプレイTFT基板向けPIワニス、超高熱伝導グラファイトシートなど各種PI製品で様々なソリューションを提供していく考えだ。