ブラスケム 米で新PPプラント稼働、年産45万t

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2020年7月6日

 ブラジル石油化学大手のブラスケムはこのほど、北米テキサス州ラ・ポルテにあるポリプロピレン(PP)生産設備「デルタ」の建設が完了し試運転を開始したと発表した。 米国市場への供給と世界各国への輸出を拡大し、グローバルビジネス戦略を強化するのが狙い。

米国テキサス州ラ・ポルテの新ポリプロピレン生産設備
米国テキサス州ラ・ポルテの新ポリプロピレン生産設備

 新生産ラインは、同地区にある既存PP生産工場に隣接する。設計に当たっては持続可能性の観点から、CO2排出量や廃棄物の削減、水・エネルギーの効率化、リサイクルなど環境に配慮。最新設備を備え、ホモポリマー、インパクトコポリマー、ランダムコポリマーなど、様々なPP製品のポートフォリオ全体を生産する。推定生産能力は年産45万t。同社が米国に持つ五つの既存PP生産拠点(テキサス州×3、ペンシルベニア州×1、ウェストバージニア州×1)と合わせ、北米全体では年産約200万tとなる。

 新型コロナウイルスの感染拡大により、特に4月と5月に北米のPP産業は大きな影響を受けた。不織布や包装用途での好調な販売は見られたものの、主に自動車などの耐久財分野が振るわず需要は大幅に落ち込んだ。同社は今後について、6月に入り顧客の事業拡大や消費の回復傾向が見られたことから、第3四半期(7-9月期)のPP業績の好転を見通す。新設備では今月から量産テストを始め、需要回復に照準を合わせる形で3Q中の商業運転を目指す。

ブラスケム バイオPEを宇宙でリサイクル、実証始まる

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2019年12月16日

 ブラジルのブラスケムは、米Made In Space(MIS社)と協業し、高度400㎞の軌道上にある国際宇宙ステーション(ISS)でのプラスチック・リサイクル実証試験を行っている。

ISSで実証運用するバイオPEリサイクル装置03
ISSで実証運用するバイオPEリサイクル装置

 実証用のリサイクル装置は、米バージニア州NASAワロップス飛行施設から、先月2日(現地時間)に打ち上げられた。

 ノースロップ・グラマンのシグナス補給船12号機によりISSに運び込まれた同リサイクル装置は、バイオポリエチレン(PE)の廃棄物を加熱・押出し成形することで、3Dプリンタ用フィラメントに加工するもの。MIS社が装置を開発・製作し、ブラスケムのバイオPEのリサイクル性能を実証する。

 用いられるのは、サトウキビを原料にした「アイム・グリーン」ブランドのバイオPE。両社は2016年から、ISS内で同PE製フィラメントを使用する3Dプリンタの実証を始めているが、今回のリサイクル装置と組み合わせることで、ISSという限られた空間内での資源循環を検証していく。

 MIS社は「地球に依存しない探査を可能にする」を使命に、2010年に設立。微小重力環境下で使用する3Dプリンタの開発と製造を行う。MIS社のチーフエンジニアは、ISSでのリサイクル機能の検証を「太陽系の果てへの探査を可能にする持続可能な製造システムの開発に向けた重要なステップ」と位置づける。

 壊れた部品をマテリアルリサイクルし、新しい部品につくり替える。プラごみを原料に戻し、別の用途へと展開する。宇宙空間で、地球から供給される原料に頼らないリサイクルシステムが実現できれば、将来の宇宙探査に多大な利益をもたらす可能性がありそうだ。