帝人はこのほど、日本とインドネシアでポリエステルフィルム事業を展開する連結子会社・帝人フィルムソリューション(TFS社)ならびにP.T. Indonesia Teijin Film Solutions(ITFS社)の所有株式全てを、東洋紡に売却することを決定し、東洋紡との間で株式譲渡契約を締結したと発表した。
帝人グループは、ポリエステルフィルム事業の競争力強化に向け、2016年に日本の生産拠点を宇都宮事業所に集約するなど、さまざまな対策を講じてきた。また、その過程で、事業運営の柔軟性と意思決定の迅速性を向上させるため、合弁パートナーであったデュポン社から、日本およびインドネシアの合弁会社のデュポン社持分を取得し、各々100%子会社として運営してきた。
その結果、ポリエステルフィルム事業は一定の収益を上げる体質へと強化されたが、TFS社ならびにITFS社のさらなる成長と、帝人グループの経営資源の最適配分の観点から、今回の決定に至った。
東洋紡は、フィルム事業を成長分野と位置づけ、事業拡大を進めている。株式を取得することで、TFS社の持つ高い開発力、幅広い顧客ネットワークとの融合と、ITFS社を含む生産体制の強化により、事業を大きく成長させることができる。なお、株式譲渡は10月1日を予定している。