クレハは18日、いわき事業所(福島県)でポリフェニレンサルファイド(PPS)増強設備の竣工式を開催したと発表した。来月から商業生産を開始する予定で、今回の増設分(年産5000t)と併せ合計1万5700tの能力をもつことになる。
同社は、同事業所にPPS樹脂製造設備をもつが、フル稼働の状況が継続。顧客からのさらなる供給拡大の要請に対応するため、101億円を投資して能力増強を行い、昨年10月に完工していた。
PPS樹脂は、軽量化や電装化のニーズが高まっている自動車部品用途を中心に、その優れた耐熱性や加工性が必要とされる産業分野で、今後も需要の拡大が見込まれている。
同社は、今回の設備増強により、差別化された高品質のPPS樹脂を安定的かつ効率的に供給する体制を整え、PPS樹脂市場での地位を確固たるものとしていく考えだ。