BASFはこのほど、押出成形で半製品化できるポリフタルアミド(PPA)「Ultramid Advanced N 5H UN」を開発したと発表した。半製品の熱可塑性プラスチック押出成形の世界的リーダーGEHR社(ドイツ)は、同PPAを使って直径50mmの押出成形品の製造に世界で初めて成功した。従来のPPAに比べて扱いやすく、溶融安定性も高いため品質を損ねずに半製品の生産が可能。最終製品に仕上げるための切削加工も容易だ。
「Ultramid Advanced N」は半芳香族の化学構造をもち、高温下の機械特性、厳しい使用環境下での耐薬品性と耐加水分解性、100℃以上の高温での耐摩擦、耐摩耗性に優れ、湿潤環境下での寸法安定性は全PA中で最高。半製品や小型組立部品の押出成形だけでなく自動車産業、機械工学、厨房設備など幅広い用途にも適する。
GEHR社の押出ロッドにより、高温環境で使用される部品や寸法安定性が必要なポンプ部品、歯車、サーモスタットハウジング、スライディングレールなど幅広い用途に使用可能。自動車用途ではモーターやトランスミッションオイル、冷却剤、酸、塩や凍結防止剤と接する部品に特に適する。高温環境でも優れた耐衝撃性と耐摩擦性、耐摩耗性を必要とする部品にも使用可能だ。
これにより、ポリエーテルエーテルケトンやポリアリールスルホン半製品とエンジニアリングプラスチック半製品との市場ギャップを埋めることができた。