ダイセルは20日、連結子会社であるポリプラスチックス(ポリプラ)の発行済み株式のうち、セラニーズが子会社を通じて保有する全株式(45%)を取得し、完全子会社とすることを決定したと発表した。なお、取得金額は15億7500万ドル(約1685億円)、取得の時期については、各国の当局による許可が必要であることから未定としている。
ポリプラは、1964年にセラニーズとの合弁で設立されて以来、日本のエンジニアリングプラスチック(エンプラ)の草分けとして、自動車産業や電機産業、精密機械など、様々な顧客の要望に応えてきた。金属に代わる加工性の高い新素材として登場したエンプラは、人々の暮らしの高度化とともに、その需要が増加し、ポリプラも、その専業メーカーとして製品のバリエーションや供給能力を増強しながら顧客に高機能製品とテクニカルソリューションを提供。日本やアジアでの№1はもとより、一部主要製品については、世界トップシェアを占めるエンプラメーカーにまで成長している。
一方、総合化学メーカーへと発展してきたダイセルは、100周年となる今日、新長期ビジョン、中期戦略を策定し、新たなバリューチェーンの構築を目指している。セラニーズとは、ポリプラ設立以前からの良好な関係の下、相互に協力してセラニーズの発展を支えるパートナーシップを継続。ただ、激しく変化するビジネス環境の中で、時には知的財産をめぐる係争が生じたり、ポリプラのさらなる成長をめぐる意見の相違が生じたりする場面があった。
昨年来、信頼と敬意に基づくトップ同士の対話を通じて、こうした諸課題の解決を模索し、今回の合意に到達した。この合意により、ダイセルグループは、エンプラ事業、並びにその周辺領域の事業のさらなる成長を目指していく。また、セラニーズとは、これからも健全な自由競争を前提に、社会の発展に貢献するため、協力できる分野では良好な関係を継続していく。