韓国LGグループの関連会社で材料・部品メーカーであるLGイノテックはこのほど、独自に開発した熱電半導体素子とモジュール化技術で「サイドテーブル型冷蔵庫用熱電モジュール」の量産に成功したと発表した。
同モジュールは、最近発売されたLG電子の「LGオブジェ」冷蔵庫に搭載されている。同冷蔵庫は、40リットルの容量で冷蔵庫とサイドテーブルが一体となっているもの。
開発品のモジュールは、コンプレッサーを代替する部品。熱電素子、放熱パネル、放熱ファンなど複数の部品が組み合わさっているが、サイズは180×156×75ミリとコンパクトだ。
熱電素子は熱電半導体技術を採用しており、熱電半導体は電気を供給することで冷却・加熱機能を実現し、温度差で電力を生じさせる。この原理で熱電素子に電気を供給すると、片面は熱くなりもう一方の面は急激に冷たくなる。冷たい面は冷蔵庫の中に冷気を供給し、熱い面は放熱パネルと放熱ファンで熱を冷まして外部に放出することで冷蔵庫の温度を一定に維持する。
従来のモジュールに比べて冷却性能も一層高くなっており、同モジュールを搭載した「LGオブジェ」冷蔵庫は、冷蔵温度を最大3℃まで低下させることができる。他社の小型冷蔵庫製品の冷蔵温度より5℃以上冷却性能が改善された。
市場調査企業のテクナビオ(TechNavio)によると、熱電半導体グローバル市場の規模は、昨年の4億7155万ドルから2020年に6億2673万ドルに成長する見通し。
LGイノテックは今後、独自開発した熱電素子とモジュール化技術力を生かし、家電だけではなく、ウエアラブル、車両・船舶、通信などに採用分野を積極的に拡大していく考えだ。