J&J ヤンセンファーマの新型コロナワクチン、第Ⅲ相試験開始

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2020年10月14日

 ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)はこのほど、ヤンセンファーマが開発中の新型コロナワクチンの大規模検証試験として、複数国で展開する第Ⅲ相臨床試験(ENSEMBLE試験)を開始したと発表した。ENSEMBLE試験の開始は、第Ⅰ/Ⅱa相臨床試験の中間解析で得られた結果とFDA(米国食品医薬品局)の話し合いに基づき、3大陸で最大6万人のボランティアを登録し、コロナワクチンとプラセボの比較で有効性を検証する。

 J&Jは、引き続きワクチンの製造能力を拡大しており、毎年10億回分のワクチンを供給するという目標に向けて順調に取り組みを進めている。同社は緊急のパンデミック下での、非営利として、広く購入可能な価格で多くの人々にワクチンを提供することを約束しており、新型コロナワクチンは、その安全性と有効性が確立された場合、来年初頭に緊急使用認可が認められる状況下で利用可能になる見込みだ。

 J&Jは、高い倫理基準と健全な科学的原則に従ってコロナワクチン候補の開発・試験を実施している。同社は、試験実施計画書を含め、第Ⅲ相ENSEMBLE試験に関する情報についても透明性を確保しながら共有するとしている。

ヤンセン 患者にリモートワーキングロボットを無償貸出

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2020年9月29日

 ヤンセンファーマはこのほど、患者が病気を抱えながらも「自分らしく働く」ことを支援するため、自立走行可能なビデオ会議ロボット「リモートワーキングロボット」の無償貸出を開始した。新型コロナウイルスからの安全性を確保しつつ、生産性を向上できる柔軟で新しい働き方が求められる中、患者が在宅勤務しやすい環境づくりをサポートする取り組みだ。

 現在、働く人の3人に1人が病気を抱えながら仕事をしていると言われる。今回、無料貸出をする同ロボットは、在宅勤務をしながらオフィスを歩き回ったり、会議に出席したり、雑談したりなど、遠隔でも同僚や上司と顔を見てコミュニケーションを取れる環境を実現。そのため、患者が新型コロナに感染するリスクや、体調によっては通勤の負荷を低減しつつも、在宅勤務中に職場での存在感を保ち、「病と仕事の両立」に貢献することが期待される。

 また、在宅勤務者がオンラインで会議に参加する場合、「参加者の表情や温度感が分かりにくい」「ホワイトボードなどの情報を取得しにくい」など、コミュニケーションの壁ができやすくなる傾向がある。

 同ロボットは、自宅にいながらもまるで本人がオフィスにいるような一体感を生み出す特徴があることから、在宅勤務者をよりインクルーシブに、そしてコミュニケーションを取りやすくする。今年7月にジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人グループに同ロボットが導入されたが、仕事の効率を高めることに役立っているという。

 ヤンセンは今後も、未だ満たされないニーズに応えることで、患者のQOL向上に尽力していく考えだ。

ヤンセンファーマ 新型コロナワクチン、日本で第Ⅰ相試験開始

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2020年9月28日

 ヤンセンファーマ(東京都千代田区)はこのほど、新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)を引き起こすウイルス「SARS‐CoV‐2」のワクチン候補「Ad26.CoV2.S」の国内第Ⅰ相臨床試験を開始したと発表した。20~55歳の健康な成人と65歳以上の高齢者の合計250人を対象に、接種時の安全性、反応原性(腫脹や疼痛などワクチン接種に予期される反応)、免疫原性の評価を行う。

 ヤンセンファーマはジョンソン・エンド・ジョンソンの医薬品部門ヤンセンファーマグループの一員。同ワクチン候補は、風邪ウイルスの一種「アデノウイルス血清型26(Ad26)」を使用した組み換え体ベクターワクチン。非増殖型Ad26に新型コロナウイルスに特徴的なスパイクタンパク質の遺伝子情報を組み込み、接種後に体内で抗体を作る。ワクチン開発と大量生産のためのヤンセンの「AdVac」技術を活用。

 同技術は欧州承認のエボラウイルスワクチン、開発中のジカウイルス、RSウイルス、HIVの各ワクチン候補の臨床試験にも使用され、9万例以上の投与実績をもつ。同ワクチン候補の米国での前臨床試験(サル)で、1回の接種で「中和抗体」などの強力な免疫反応を誘発し、接種後の感染防御を確認した。

 これに基づき第Ⅰ/Ⅱa相試験(ヒト投与)を米国とベルギーで7月から実施、9月には第Ⅲ相試験へ移行予定。オランダ、スペイン、ドイツでも第Ⅱa相試験を予定している。臨床開発と同時に、生産能力拡充に向けたグローバルパートナーとの積極的な協議を進めており、安全性と有効性が確認されれば、海外では来年初頭の緊急時使用許可の取得を目指している。

 同社は「病が過去のものになる未来をつくる」ために科学の力で病に打ち克ち、画期的な発想力で多くの人々に薬を届け、真心をもって癒し希望を与える、という方針を掲げ、がん、免疫疾患、精神・神経疾患、ワクチン・感染症、代謝・循環器疾患、肺高血圧症の分野での貢献のために注力している。

ヤンセン 「病のない未来」アイデアコンテストの募集を開始

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2020年9月17日

 ジョンソン・エンド・ジョンソングループの一員であるヤンセンファーマは、東京大学COI(センター・オブ・イノベーション)自分で守る健康社会拠点、東京理科大学の3者共催で、日本で学ぶ大学生・大学院生(年齢18歳以上・学部・国籍不問)を対象に、「病のない未来」を実現するためのアイデアコンテストを実施する。

 コンテスト応募者は、10月12日までにアイデアをプレゼンテーションする動画をキャンペーンサイトから投稿。11月22日に開催する本選では、予選を通過した10組が審査員に対してプレゼンテーションを行う予定だ。優秀賞を受賞した2組4名は、米国ジョンソン・エンド・ジョンソンのインキュベーションラボ「JLABS(ジェイラボ)」への2週間の見学ツアーに招待される。なお、ツアーは英語で行われるため、コンテスト応募者は英語でのコミュニケーション能力が必須となる。

 ヤンセンのクリス・フウリガン社長は、「病のない未来は、当社が目指す世界だ。私たちはコラボレーションの力を信じ、国内の優秀な学生からアイデアを集め、未来のイノベーターを支援・奨励する扉を開いた。治療に役立つアイデアや保健制度の強化、超高齢社会を含め、日本や世界が直面している医療課題への意識を高めるような、希望に満ちたアイデアを募集する」とコメントしている。

 なお募集要項の詳細については、キャンペーンサイト(https://worldwithoutdisease.jp/)を参照。

ヤンセンファーマ 潰瘍性大腸炎向け抗体製剤が適応追加承認を取得

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2020年4月8日

 ヤンセンファーマはこのほど、モノクローナル抗体製剤「ステラーラ」(一般名:ウステキヌマブ〈遺伝子組み換え〉)について、点滴静注製剤で「中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)」および皮下注製剤で「中等症から重症の潰瘍性大腸炎の維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)」を効能または効果として、製造販売承認事項一部変更承認を取得した。

 同剤は、炎症性腸疾患に深くかかわるインターロイキン(12および23)を阻害することにより消化管の炎症を抑制。今回の承認は、国際共同試験である第Ⅲ相試験のデータに基づくもの。この試験には、中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎の成人患者を対象とした、同剤の有効性と安全性を評価する2つの国際共同試験(寛解導入試験および寛解維持試験)が含まれ、日本もこれらの試験に参加した。

 第Ⅲ相寛解導入試験の結果、同剤の単回静脈内投与が、従来の薬物療法や既存の生物学的製剤で十分な効果を得られなかった、または忍容性を示さなかった中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎の成人患者に対し、主要評価項目である8週目での臨床的寛解とクリニカルレスポンスの導入をもたらすことを示した。

 また、第Ⅲ相寛解維持試験の結果、同剤の単回静脈内投与によりクリニカルレスポンスを達成した患者に対し、同剤の8週間隔または12週間隔の皮下投与により、主要評価項目である44週時点(単回静脈内投与後52週)での臨床的寛解を達成したことを示した。

 ヤンセンは今後も、未だ満たされない医療ニーズに応えることで、患者のQOL向上に尽力していく考えだ。