ユニチカトレーディング 肌の弱酸性保持するpHコントロール生地を開発

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2019年11月19日

 ユニチカトレーディングとコンビ、一丸ファルコスは共同で、肌の弱酸性をキープするpHコントロール加工生地「NANOAQUA(ナノアクア)‐pH」の開発に成功した。今までの樹脂加工による加工方法では実現できなかった高耐久性能をもち、吸水性・制電・防汚性(工業洗濯・家庭洗濯に対応)にpHコントロール性を付与することで、生地の表面を弱酸性にキープする。

 コンビと一丸ファルコスは、ヒトの皮膚に住んでいる皮膚常在菌に着目。この多種多様な菌から成る肌フローラ(皮膚常在菌叢)は、肌表面や毛穴周りの保湿成分やpH、免疫などの調節により、皮膚のバリア機能に関わっている。

 肌フローラには皮脂を餌として、酸性物質やグリセリンを産出する、「うるおい菌」とも呼ばれる表皮ぶどう球菌などが存在している。両社の共同開発の結果、コンビがもつヒト由来乳酸菌の一種である、エンテロコッカスフェカリスEC‐12株の加熱殺菌菌体が、加齢により減少する「うるおい菌」を育てるとともに、肌フローラを改善することを見出した。

 これはすでに「ラ・フローラEC‐12」として化粧品原料で展開している。ユニチカトレーディングはこの機能に着目し、「ナノアクア」の加工技術と「ラ・フローラEC‐12」の機能を融合することで、洗濯耐久性に優れたpHコントロール機能をもつ「ナノアクア‐pH」を開発した。

 ユニチカトレーディングでは、ユニフォーム用途での販売をスタートさせ、続いて肌着やレディス、スポーツ衣料へ用途を拡大、さらに日用品などの生活資材への展開を目指す。同社は今後もこうした新たな挑戦を行い、全てのステークホルダーの豊かで健康な暮らしと技術を結ぶことにより、サステナブル企業として社会に貢献していく方針だ。