ユーグレナ バイオ燃料宣言、3市23社1団体が賛同

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2020年9月23日

 ユーグレナはこのほど、日本をバイオ燃料先進国にすることを目指す「GREEN OIL JAPAN(グリーンオイルジャパン)」宣言に、新たに2市15社が賛同したと発表した。

 次世代バイオディーゼル燃料の利用などを通して、気候変動対策の継続を目指す企業、自治体、団体数は27まで拡大。同社は2010年にバイオ燃料の研究開発を開始、国産の藻類由来のバイオ燃料製造を目標に、15年から横浜市、千代田化工建設、伊藤忠エネクス、いすゞ自動車、ANAホールディングスとともに「国産バイオ燃料計画」に取り組んでいる。

 18年のバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントの完成を機に、ひろしま自動車産学官連携推進会議を加えた1市4社1団体をサポーターとして「日本をバイオ燃料先進国にする」ことを目指す「GREEN OIL JAPAN」宣言を発表した。

 その後「ユーグレナバイオディーゼル燃料」の導入・普及に協力する企業などが同宣言の賛同に加わり、同燃料を使用する14社1団体、使用済み食用油の回収や精製、バイオ燃料の原料提供などの9社、製造・利用技術の開発や支援の6社、取り組みを支援する3市1団体となった(延べ数)。

 今後も賛同企業・団体などとグリーンリカバリ―(緑の回復)に寄与し、気候変動への具体的対策を遅らせないよう、バイオ燃料を通したサステナブル社会の実現に、官民一体で取り組んでいく考えだ。

 バイオ燃料の原料となる使用済み食用油の回収への協力や、バイオ燃料製造実証プラントで製造する次世代バイオディーゼル燃料「ユーグレナバイオディーゼル燃料」の普及を進め、人々の生活を取り巻く「車」や「発電機」などへの利用拡大を目指す。

ユーグレナなど 観光バスにバイオ燃料の使用を開始

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2020年9月14日

 ユーグレナとジェイアールバス関東は、成田空港を出発する定期観光バスに、微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)と使用済み食用油を原料とする次世代バイオディーゼル燃料「ユーグレナバイオディーゼル燃料」を先月から導入している。バイオ燃料による観光バス運行の取り組みは、JR東日本グループでは初となる。

 JR東日本グループが、ESG経営で事業を通じた持続可能な開発目標(SDGs)達成に取り組む中、JRバス関東は日本をバイオ燃料先進国にすることを目指すユーグレナの「グリーンオイルジャパン」宣言に賛同。同社は、成田空港発の定期観光バスに同バイオ燃料を導入し、CO2排出削減を目指した取り組みを始めた。

 導入路線は「ウェルカム成田セレクトバスツアー・芝山コース」(1台)で、成田空港~芝山仁王尊~道の駅多古あじさい館~房総のむら~成田空港・成田駅を周遊する。9月いっぱいの土日に運行し、10月以降は内容変更の予定。4月から新型コロナウイルス感染症の影響で運休していたが、感染防止対策の上での一部再開に併わせ、同バイオ燃料の導入も開始した。定期観光バスを通じて地域の魅力と日本のサステナブルな取り組みの体感に貢献していく考えだ。

 バイオ燃料は、既存の化石燃料に比べ理論上CO2排出量の少ない再生可能な液体燃料であり、世界中で普及が進む。トウモロコシやサトウキビ、大豆、パームなどの可食原料は食料との競合・森林破壊などの問題が指摘されているが、「ユーグレナバイオディーゼル燃料」はユーグレナ油脂や使用済み食用油などを主原料とするため、食料との競合や森林破壊がなく持続可能性に優れる。既存のエンジンでも使用でき、水素や電気への移行に必要なインフラコストも不要で、利用拡大の可能性は高い。

ユーグレナ グリーンオイルジャパン

ユーグレナ ミドリムシから「サステナブる」へCI刷新

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2020年9月10日

 ユーグレナはこのほど、創業15周年を迎え、「ミドリムシ」の会社から「サステナビリティ・ファースト」の会社へアップデートし、経営理念、ビジョン、スローガンに替えて新たに「ユーグレナ・フィロソフィー」を掲げるとともにコーポレートロゴをカタカナ表記に刷新すると発表した。サステナビリティを軸に事業を展開し、「サステナビリティ」が当たり前な世界の実現を目指す。

 創業以来、時代の変化や社会の要請で事業セグメントが広がり、グループ会社は10社。15周年を第2創業期のスタートと捉え、CIの刷新を決めた。同社は創業者が目にしたバングラデシュの栄養失調問題をきっかけにスタート、「人と地球を健康にする」という経営理念の下でヘルスケアとエネルギー・環境分野を中心とした事業を展開してきた。

 しかし、激変する時代に対して、個別具体的な実現目標ではなく一貫した「ありたい姿」の実現を企業経営の中心に据え、複雑になった経営理念、ビジョン、スローガンを廃止しシンプルな哲学「ユーグレナ・フィロソフィー」を掲げた。短期的課題ではなく未来が続くための「サステナビリティ」を軸に、サステナブルな「環境」「健康」「社会」「生活」「働き方」「組織」、様々な利害関係者に向け、自他の幸せが共存し続け、事業・商品を通してサステナブルとなることを目指すとしている。

 ロゴは読みやすいカタカナ表記、字体はバイオ燃料から食品、化粧品までの汎用性と可読性で明朝体とし、強い意志を力強く優しく表現。ロゴマークは持続的発展をイメージする無限をモチーフにユーグレナの躍動感をデザイン化し、ユーグレナの「e」とサステナビリティの「S」を表現した。

 タグラインの「いきる、たのしむ、サステナブる。」は、サステナブルを身近に感じ、生活に取り込み、行動変化に繋げて欲しいという思いで「生きる」「楽しむ」と動詞的造語「サステナブる」を並べ、具体的行動の意志を込めた。コーポレートカラーは、永久不滅の象徴「常磐緑」と空や海を連想させる「空色」を混ぜた独自色「サステナブル・グリーン」だ。

 なお各掲示物は、今年10月から段階的に切り替える。

ユーグレナマーク

 

 

 

 

 

 

 

ユーグレナなど 新型コロナウイルス用標準抗体を作製

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2020年9月8日

 ユーグレナとリバネス(東京都新宿区)、オーダーメードメディカルリサーチ(千葉県柏市)はこのほど、共同開発中の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に関する抗体検査系で、被験者の血中の同抗体濃度を推定可能にするキメラ型抗SARS-CoV-2抗体(標準抗体)の作製に成功したと発表した。

 共同開発中のSARS-CoV-2に関する抗体検査系では、被験者の血液中の抗SARS-CoV-2抗体の存否判定をする定性的検査はできたが、抗体の濃度を推定する定量的検査はできなかった。濃度の推定には、濃度既知の抗体を使った同時比較試験が必要になる。

 今回、SARS-CoV-2のタンパク質に反応するモノクローナル抗体を作製し、十分な感度をもつ標準抗体を得ることに成功。すでに抗体検査を行った血液サンプルを評価した結果、標準抗体濃度を基準にして推定することの妥当性が確認できた。これにより、定性的な陽性・陰性判定だけでなく、抗SARS-CoV-2抗体の濃度を推定することが可能となった。

 今後は標準抗体を使って定量化した、信頼性の高い抗体検査系の開発を進める考えだ。

ユーグレナ バイオマス50%含有プラスチックを開発

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2020年9月7日

 ユーグレナはこのほど、バイオポリ上越(新潟県上越市)と共同で、微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)からバイオ燃料用脂質を抽出した後の残渣(ユーグレナ脂質抽出残渣)を配合したバイオマスプラスチックの開発に成功したと発表した。バイオポリ上越は樹脂の製造からプラスチック最終製品の製造まで一貫して行い、自然素材からプラスチック樹脂を創る高度な混錬加工技術をもつ。

加工前のユーグレナ・ポリプロピレン複合体のペレット
加工前のユーグレナ・ポリプロピレン複合体のペレット

 海洋プラスチックごみなどの社会問題に対し、環境省が昨年策定した「プラスチック資源循環戦略」で、プラスチックの使用量削減、リサイクル推進とともに、植物などの再生可能資源を使ったバイオマスプラスチックの利用推進を掲げ、バイオプラスチックの需要も高まっている。

 今回、パラミロン(ユーグレナ特有のβ‐1,3グルカン)粒子含有の複合体に関する特許技術に基づき、汎用プラスチックのポリプロピレン(PP)とユーグレナ脂質抽出残渣を混錬・均一分散してバイオマス含有率50%のユーグレナ・PP複合体を開発した。

 純石油由来のPPと比べ、最大曲げ応力と曲げ弾性率が高く、強さと硬さが向上。これは、有機物固体であるユーグレナ脂質抽出残渣がフィラーとして働き、PPの力学物性を向上させたことを示している。さらに、一般の射出成型機でフォークなどの加工が可能なことから、食品容器や成型材料などの様々な用途展開が期待される。

ユーグレナ・ポリプロピレン複合体を用いて作成したフォーク、スプーン
ユーグレナ・ポリプロピレン複合体を用いて作成したフォーク、スプーン

 同社はユーグレナなどの微細藻類活用の事業を通じ、社会をよりサステナブルに変革していくことを目指している。石油由来プラスチック量の削減に向け、ユーグレナの特有成分パラミロン使用の機能性プラスチックの開発とともに、バイオマスプラスチックの可能性検討を進めていく考えだ。

 

ユーグレナとファミリーマート 配送車両にバイオ燃料

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2020年8月24日

 ユーグレナはこのほど、ファミリーマート店舗から出る使用済み食用油(廃食油)を原料の一部に使う「ユーグレナバイオディーゼル燃料」を同社配送車両で使用する循環型の取り組みを両社共同で実施すると発表した。

 ファミリーマートは今年「ファミマecoビジョン2050」を策定し、持続可能な社会の実現に向け、中長期目標「温室効果ガスの削減」「プラスチック対策」「食品ロスの削減」に基づく数値目標を設定。

 ユーグレナの「日本をバイオ燃料先進国にする」ことを目指す「GREEN OIL JAPAN」宣言に賛同し、両社共同で20年、30年先を見据え「ユーグレナバイオディーゼル燃料」の利用・普及拡大へ向けて取り組むことを決定した。なお両社は2014年より、微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)配合食品の共同開発も行っている。

 ユーグレナは2018年に、横浜市鶴見区に日本初のバイオジェット・ディーゼル燃料製造の実証プラントを竣工。今回の取り組みは同プラントを使用し、ファミリーマートの横浜市内の2店舗から出る廃食油(月約300リットル)を、9月以降から原料の一部として「ユーグレナバイオディーゼル燃料」を製造する。なお8月下旬から、ファミリーマートの横浜市内の配送車両(1台)でバイオ燃料の使用を開始する。

 バイオ燃料は、化石燃料より理論上のCO2排出量が少なく、再生可能燃料として世界で普及が進む。同プラント製造の「ユーグレナバイオディーゼル燃料」はユーグレナなどの微細藻類油脂や廃食油を主原料とするため、食料との競合や森林破壊などの問題がなく、持続可能性に優れた燃料となることが期待される。

 また、化石由来の軽油用のエンジンにも使え、水素や電気などの代替エネルギー移行に必要な多大なインフラコストも不要なため、石油中心の社会環境で、既存インフラのまま効率的に普及できる。

 なお、この取り組みは、ユーグレナが横浜市と取り組む「バイオ燃料地産地消プロジェクト」活動の一環でもある。両社は今後も、食品での連携のみならずバイオ燃料を通して、人の健康や環境に関するサステナブルな取り組みを実施していく考えだ。

ユーグレナ 燃料副産物をイチゴ栽培などの有機液肥に

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2020年7月15日

 ユーグレナはこのほど、明治大学、戸田建設、ルートレック・ネットワークス、DAインベント、Office FUJIWARAと共同で、微細藻類ユーグレナ(ミドリムシ)を原料とした有機液肥の農作物栽培の実証試験で、従来の化学液肥と同等の収穫量が得られることを確認したと発表した。

 ユーグレナからバイオ燃料用の脂質を抽出すると、ユーグレナ脂質抽出残渣が発生する。残渣の利用開発が資源の有効利用、さらに有価物として販売できればバイオ燃料の生産コスト低減に繋がる。今回有機液肥に注目し、明治大学黒川農場で実証実験を行った。

 牧草や野菜くずを原料とする有機液肥は、原料中の有機酸の影響で、農作物によっては生育障害が起こる。ユーグレナ脂質抽出残渣は、脂質抽出過程で有機酸が減少する。ユーグレナ脂質抽出残渣を原料とした有機液肥(ユーグレナ有機液肥)を、イチゴ栽培で試験した結果、農作物生育への有機酸の被害はなく、従来の植物性原料液肥に比べて有望だった。化学液肥と収量・品質に差がないことも確認された。

 同社では、バイオマスの5F(重量単価順に、食料、繊維、飼料、肥料、燃料)の基本戦略に基づき、ユーグレナなどの微細藻類を活用して、食品や化粧品などのヘルスケア事業、バイオ燃料などのエネルギー・環境事業に取り組んできた。ユーグレナ有機液肥は、肥料(Fertilizer)という新用途での可能性に向け、資本業務提携先の小橋工業など複数のパートナーと共同開発中だ。

 今後も微細藻類やバイオテクノロジーを活用した事業を通じて、サステナブルな社会の実現を目指していく。