住友化学は24日、ライセンスビジネス強化のため、ポリプロピレン(PP)とプロピレンオキサイド(PO)製造技術ライセンス先での需要増加に伴い、千葉工場に触媒の製造設備2系列を新設し、稼働を開始したと発表した。
同社のPP製造技術は、千葉工場と関係会社であるシンガポールのザ・ポリオレフィン・カンパニー社、サウジアラビアのペトロ・ラービグ社での運転実績のほか、韓国のS‐OIL社などにライセンス供与しており、多くのプラントで高い運転安定性を示し、高品質な製品を製造している。
また、PO製造技術は、同社が世界で初めて工業化したクメンを循環利用するクメン法PO単産プロセスで、独自に開発した高性能なエポキシ化触媒と組み合わせることにより、併産物がなく、高収率で運転安定性に優れていることが特長。千葉工場とペトロ・ラービグ社での運転実績のほか、S‐OIL社やタイのPTTグローバルケミカル社の子会社にライセンスを行っているほか、今年7月には、インドのバーラト・ペトロリアム社ともライセンス契約を締結した。
ライセンス先への触媒の販売は、技術ライセンスの実績に応じて需要が増加していくことから、市場環境の影響を受けにくく安定的な収益が期待できる事業。住友化学では、技術ライセンスにより一時的に対価を得るだけではなく、ライセンス後も触媒販売や技術的な支援を行うなど継続的な収益の確保に取り組んでいる。
住友化学は、グローバルに広がるライセンス先との共栄を図っていくことに加え、石油化学部門での事業ポートフォリオの拡充を目指していく。