帝人 リンケージに出資、健康支援事業の提携範囲を拡大

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2019年10月8日

 帝人は7日、オンライン健康支援事業などを行うリンケージ(東京都中央区)に出資し、資本・業務提携を行うことで合意したと発表した。これまでの睡眠分野を中心とした業務提携の範囲を、禁煙やフレイルの重症化予防などにも広げることが目的。

 リンケージは2011年の創業以来、健康保険組合や企業、自治体に対して先鋭的な健康増進施策を提供してきた。2013年からはICTを活用した、日本企業の海外駐在員向け健康支援サービスの提供を始めたことを皮切りに、2015年にオンライン特定保健指導サービスを立ち上げた。

 また、2017年には業界に先駆けてオンライン禁煙プログラムの提供を開始するなど、医師・看護師・保健師・薬剤師・管理栄養士などの社内外の医療従事者や、大学・官公庁の協力者とリンケージ(連動)しながら、オンライン健康支援事業のパイオニアとして事業を創造してきた。その結果、現在は80を超える健康保険組合(加入者数合計約370万人)が、オンライン健康支援サービスを利用している。

 一方、帝人グループはデジタルヘルス技術を活用したヘルスケアサービスにより、誰もが住み慣れた地域で、人生の最後まで自分らしい生活を全うする地域包括ケアシステムの普及に貢献することを目指し、すでに帝人ファーマでは、多職種連携情報共有システム「バイタルリンク」を展開している。

 日本では今後も少子高齢化が急速に進み、医療資源の不足と地域格差がさらに拡大し、地理的制約を受けないオンライン診療やオンライン健康支援サービスが、より多くの人々に必要となることが予測される。

 こうした中で、両社の保有するサービス、技術、ノウハウを融合させることにより、社会的ニーズに応えるソリューションの提供が可能になると考え、資本・業務提携に合意した。

 今回の提携により、帝人はオンライン診療とオンライン健康支援事業でノウハウを持つリンケージと、共同で新たなサービスの開発に注力する。また、リンケージとの連携を図りながら、将来的に地域包括ケア領域での新規事業の立ち上げを目指していく。

帝人 睡眠チェックサービスでリンケージと業務提携

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2019年7月18日

 帝人はこのほど、健康や睡眠に関するサービス拡充のため、オンライン健康支援やコンサルティング事業を行うリンケージ(東京都中央区)と業務提携すると発表した。リンケージが提供する特定保健指導の利用者に対し、帝人が展開する睡眠チェックサービス「スリープチェック」の提供を開始する。

 「スリープチェック」は、帝人グループが展開する「Sleep Styles 睡眠力向上プログラム」をカスタマイズしたサービスで、対象者への10分間程度のアンケートの結果から個人の睡眠タイプを分析し、それぞれのタイプに応じて睡眠力向上のためのアドバイスをフィードバックするもの。

 事業背景には、睡眠トラブルの実態がある。厚生労働省の「国民健康・栄養調査(平成29年)」によると、「ここ1カ月間、睡眠で休養が十分に取れていない者の割合」は20.2%にも及ぶ。平成21年からの推移を見ると、有意に増加している状況にあることから、「健康日本21(第2次)」に掲げている目標値15%を達成するためには、早急な対策が必要となっている。

 こうした中、リンケージは、医療機関と医師・保健師・看護師・管理栄養士などの豊富なネットワークを活用して、健康保険組合などに対し、ICTの活用を軸とした特定保健指導や禁煙、高血圧や高血糖をはじめとした重症化予防などのサービスを提供している。

 一方、帝人グループは、睡眠時無呼吸症候群(SAS)治療装置のレンタル事業からウェアラブルデバイスの販売に至るまで、幅広い領域で睡眠関連のソリューションを提供。その中で、これまでに培ってきたノウハウや保有する様々なツールを活用したサービスとして、昨年4月から健康経営を支援する「Sleep Styles 睡眠力向上プログラム」の提供を始めた。

 両社は、今後もさらに提携強化を図ることで、睡眠に関わるリスクの改善をサポートするとともに、健康保険組合の保健事業と企業の健康経営に寄与していく。