三井化学 知床で海洋ごみ清掃活動実施、動画を公開

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2020年2月28日

知床の海岸でフレコン8袋分の漂着ごみを回収
知床の海岸でフレコン8袋分の漂着ごみを回収

 三井化学グループは、サステナビリティ活動の一環として、「世界自然遺産応援プロジェクト」を展開している。

 屋久島、小笠原に続く第3弾は、2005年に世界自然遺産に登録された北海道・知床半島の海岸で実施。同地を抱える斜里町と環境省が主催するクリーンアップ活動に協賛し、三井化学と北海道三井化学の従業員が、漂着ごみや投棄ごみを回収した。このほど、その模様を収めた活動紹介動画をウェブに公開した。

 クリーンアップ活動は昨年10月22日、世界自然遺産の登録地域の中央部、西海岸に位置するルシャ地区で行った。普段は人の立ち入りが禁止されている自然豊かな同地区は、世界有数のヒグマ高密度生息域でもある。清掃活動前にヒグマと遭遇した際の対処法の説明を受け、知床財団のスタッフが遠方に現れたヒグマを監視する中で回収作業が始められた。

 北海道三井化学の平間亮介さんは「出身地が道東なので、知床の海岸をきれいにしたい」、同じく同社から参加した稲熊清伸さんは「今、問題となっている海洋プラスチックごみ問題を、知床の海岸で直に見てみたかった」と、動画の中でそれぞれの参加への思いを語る。

 地元漁業協同組合のボランティアを中心に、総勢34人が参加。漁網やブイなどの漁具や国内外から流れ着いた包装資材、廃タイヤなどフレキシブルコンテナバッグで8袋分(=約8㎥)の海岸ごみを回収した。

 作業を終えた三井化学コーポレートコミュニケーション部の多田祐美さんは、「今後、プラスチックごみをどう処理していくのか、どうリサイクルできるのか、身をもって体験するいい1日になった」と、清掃活動を振り返った。

 三井化学では2015年から、社員と会社が寄付基金を積み立てる共同CSR「ちびっとワンコイン」の枠組みを通じて、海洋ごみ問題のパイオニアであるJEAN(ジーン)の活動を支援しており、現状把握と自分たちができることを考える講演会やワークショップを随時開催している。

 また19年度は全世界の三井化学グループを挙げたクリーンアップキャラバンを実施。今回、知床での海洋ごみ問題の現状を知り、北海道三井化学とともにクリーンアップ活動に参加した。三分55秒の動画は、専用サイト(https://youtu.be/qq_alXVyUsE)や、三井化学のウェブサイトで公開している。

三井化学 小笠原の森の再生支援で木材保護塗料を提供

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2019年2月25日

 三井化学はCSR活動の一環として、「世界自然遺産応援プロジェクト」を展開している。屋久島での取り組みに続く第2弾を小笠原として、昨年12月9日に東京都・小笠原村で開催された「オガグワの森」植樹会に協賛。グループ会社の三井化学産資とともに、伐採した外来種アカギを有効利用したベンチや看板を寄贈した。

 植樹の会場では、そのベンチや看板に三井化学産資が提供する木材保護塗料の塗装が施された。同塗料「ノンロット」は木の呼吸を妨げず、塗装後も心地よい木の香りを感じられるもの。安全性が高く、木材が本来もっている通気性(調湿性)を最大限生かしながらも、風雨をしのぐ超撥水性、耐UV性、防腐・防カビ・防虫性を発揮する。

 小笠原村では昨年から、返還50周年記念事業の一つとして固有種オガサワラグワ(=オガグワ)の再生を目指し、村民参加の森づくりプロジェクトを行っている。「オガグワは木材の価値が非常に高いため、初期の開拓時代に1000人の木こりが10年で切りつくしたと言われています。小笠原の原生林を構成する主要な樹種でしたが、アカギに取って代わりました」と語るのは、茨城県にある森林総合研究所林木育種センターの磯田圭哉研究室長。オガグワを失った森に外来種のアカギが生い茂り、今では小笠原諸島全体で100本程度しか残っていないという。同研究所で培養したオガグワのクローン苗を、小笠原の気候と土に慣らしながら育て、植樹し森に還す。

 小笠原村環境課の井上直美さんは、「オガグワは、昔から森のシンボルとして村の皆さんに愛着のあった木なので、それをシンボルとした森づくりを始めています」と森づくりの経緯を話した。村民が一丸となって、父島と母島に「オガグワの森」を再生していくという。

 親子での参加を積極的に呼び掛けた植樹会には、多くの子どもたちの姿があった。「関わってくれた子どもたちが大人になったときに、今回植えた苗が大きくなってきたというのを感じてもらいたい」(井上さん)。オガグワの再生は50年、100年先を見据えた森づくりになる。

 三井化学グループはこのたび、今回の活動を四分弱の動画にまとめて公開した(https://youtu.be/XcBZGy6DVbA)。その動画は「子どもと共に木も成長していく。子どもたちが孫を連れて来るころ、ようやくここにオガグワの森を見ることができるだろう」と結んでいた。