【化学企業 入社式訓示⑤】日本触媒 五嶋祐治朗社長

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2020年4月8日

 新入社員の皆さん、入社おめでとう。皆さんは、本日から日本触媒の一員だ。私をはじめ、社員一同が皆さんの入社を心から歓迎する。本来であれば、新入社員99名を大阪本社に迎え入社式を行う予定だったが、日本国内における新型コロナウイルス感染症拡大の影響を考慮し、延期することとした。

 入社式を4月1日に開催できないことは、新入社員の皆様も残念、また不安に思う気持ちがあると思うし、我々としても非常に残念に思っている。

 現在、当社においても、全社をあげて、感染予防措置を講じている。我々としては、従業員の健康・安全の確保を企業の責務と捉え、従業員の感染によるプラント停止などのリスクを低減し、安定的に事業を継続することを重要課題としている。今回の決定は、当社の一員となる新入社員皆さんの健康・安全確保を目的とした措置であると理解してほしい。

 残念ながら、本日の出社は叶わなかったが、4月1日は皆さんの日本触媒への入社日であり、学生から社会人になる人生の大きな節目だ。また、当社においても、今年は大きな転換期を迎える。

 皆さんすでにご存じのとおり、今年の10月に三洋化成工業との統合持株会社「Synfomix」を設立する予定だ。Synfomixでは、両社の強みを生かし未知の領域へ常に挑戦し、革新的でユニークな価値を生むことで、生活のあらゆる場面を豊かにし、未来のため持続可能な社会の創造へ貢献することを目指していく。

 皆さんも日本触媒の一員として、また今後設立される「Synfomix」の一員として、長く活躍されることを期待している。また、何よりも大切なのは、皆さんはもとよりご家族も含めた健康管理だ。十分に留意され、出社に向けて準備をしてもらいたい。皆さんが元気に出社され、お会いできることを我々は心待ちにしている。

《化学企業トップ年頭所感》日本触媒 五嶋祐治朗社長

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2020年1月10日

 昨年を振り返ってみると、甚大な自然災害に見舞われ、また世界経済も減速基調となり、当社の業績にも少なからず影響が出た。このような予測困難な環境下で、リスクを最小限に抑えるための「備え」が、いかに大切かを痛感した年であったように思う。

 このような状況の下、当社は昨年11月に、三洋化成工業と経営統合の最終合意を交わした。この経営統合の大きな目的は、将来への「備え」そのものだ。今後、さらに激化するであろう、世界的な市場競争の中で、生き残り、勝ち残るための「守りの備え」と、さらなる成長、飛躍を目指した「攻めの備え」の両面の「備え」を持つことにある。

 新会社の社名は、800件を超える社内募集の中から、「Synfomix(シンフォミクス)」とした。シンフォミクス発足にあたり、次の3つを伝える。1つ目は「持続可能な社会の創造に貢献しよう」ということ。

 シンフォミクス・グループは、様々な可能性を掛け合わせ、未知の領域へ常に挑戦し、革新的でユニークな価値を生むことで、生活のあらゆる場面を豊かにし、未来のため、持続可能な社会の創造へ貢献することを目指す。「シンフォミクス」の名前が世界中で鳴り響くよう、新会社グループ一体となって持続可能な社会の創造に貢献しよう。

 2つ目は「両社の強みを融合しよう」ということ。日本触媒の競争力ある素材のバリューチェーンと、三洋化成の顧客の課題に応えるソリューションビジネスを融合することで、強みのある事業を複数保有する、グローバルに存在感のある化学メーカーを目指す。今まで1社ではできなかったことも、シンフォミクス・グループなら必ず達成することができると確信している。

 3つ目は「違いを認め合い、違っていることを生かそう」ということ。お互いに相手を理解しようと努め、様々な意見や考え方があるということを認め合おう。そして、違った考え方を掛け合わせることで、新たな考え方や仕事のやり方を生み出していこう。

 新たな挑戦に期待を抱き、気概をもって取り組めるよう、まずは心構えから、「備えよ、For the new company」。今年も安全・安定操業をしっかりと継続し、皆さんとともに健康で幸多い年となることをお祈りする。

《化学企業トップ年頭所感》 日本触媒 五嶋祐治朗社長

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2019年1月10日

 昨年は、日本では甚大な自然災害、世界では米中の貿易摩擦の激化をはじめとした混乱など、不安な事柄の多い年だった。一方、当社では、ベルギーの新プラントの立ち上げや、ささきしょうこ選手の2年ぶりの優勝など明るい話題もあり、努力が報われる前向きな良い年となった。

 当社の主力事業の一つであるSAP事業に、危機感と強い志をもって始めたSAPサバイバルプロジェクトも2年が経過し、さまざまな活動の成果が徐々に出始め、確実に収益貢献してきている。また、昨年はベルギーでのAA/SAP新プラントが商業運転を開始し、さらにインドネシアでのAA新プラント建設も決定した。拡大する世界需要に応えると同時に、収益性を重視した事業拡大を進めている。

 一方では、成長事業・分野へのシフトを掲げ、3分野8領域をターゲットとして絞り込み、さまざまな施策に取り組んでいる。既存事業の製品群でも、需要拡大に応える設備増強や、新たな領域への用途展開も精力的に進めている。

 持続的な成長に向けて、人と組織の活性化、社会からのより一層の信頼獲得、グループ経営の強化を課題として掲げ、仕事革進委員会、サステナビリティ推進委員会を中心に活動を開始している。いずれも「皆が誇れる会社」を目指し、皆が生き生きと働き、その成果が社会からもしっかりと認められ続け、自らも成長し続けることを目的とするものだ。それは、皆さん一人ひとりが〝考動〟を起こすことから始まる。明日は今日よりもっと良くしていこうという気持ちで、あらゆることに臨んでほしい。

 後半中期経営計画の中に、「その最終年度2020年度には、次の10年の確実な成長を見通せる状態を目指す」ことを掲げている。そして、次の年2021年は、当社創立80周年を迎える。この80周年が次の90周年、100周年に確実に繋がるよう、後半中期経営計画の目標をしっかりと達成していこう。

 その過程の中で私たちが志として受け継いでいくべきものが、当社グループの企業理念「TechnoAmenity~私たちはテクノロジーをもって人と社会に豊かさと快適さを提供します~」だ。これは、ESGやSDGsの先駆けとなる理念であり、30年近く前から実践している社会にも誇れる理念だと思っている。収益だけでなく、事業活動を通じて社会へ貢献していくという考え方、今一度この志を再認識し、「新生日本触媒」の進むべき道をきちんと見定めていきたいと思う。