信越化学 シリコーン剥離剤の白金使用量を低減する技術を開発

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2020年5月28日

 信越化学工業は27日、シリコーン剥離剤に用いる白金の使用量を約2分の1に低減できる「低白金反応硬化技術」を開発したと発表した。

 同技術をシリコーン剥離剤に導入し製品化を推進。すでに試作品の出荷を開始しており、高い評価を得ている。シリコーン剥離剤は、紙やフィルムなどの基材にコーティングすることにより、粘着剤に対する剥離性(離型性)を付与できる。

 主な用途は、シール、ラベル、粘着テープなどの剥離紙、剥離フィルム、工程用離型紙などで、幅広い用途に使用されている。ただ、シリコーン剥離剤は、一般的に白金系の硬化触媒を使用しているが、白金は高価な希少金属であり、資源の枯渇問題などから使用量の低減が求められていた。

 今回、新たに開発した「低白金反応硬化技術」は、シリコーンに高い反応性を示す構造を導入することにより、白金の使用量を従来の約2分の1にして硬化させることができる。これにより、省資源化に寄与するとともに、顧客からの様々な要望にも応えることが期待される。

 同社は、優れた品質と技術力、そしてきめ細かな対応で、今後も多様化する市場のニーズに応えていく考えだ。