積水化学工業はこのほど、住宅カンパニーが昨年から提供している電力売買サービス「スマートハイムでんき」の余剰電力買取への申し込み数が1万3000件を突破したと発表した。なお、ユーザーから買い取った卒FIT電力は今年3月から同社グループの生産工場へ供給する予定。
住宅カンパニーでは、環境問題と社会課題の解決や盤石な経営基盤の構築を事業の成長力として位置づけ、ESG経営を推進している。「スマートハイムでんき」は、このような考え方の下、セキスイハイム、セキスイファミエスのユーザーから太陽光発電システム(PV)の余剰電力を買い取り、同社グループの事業活動への使用と、ほかのセキスイハイムのユーザーなどに電力販売を行うサービス。
昨年11月以降、10年間の固定価格買取制度の適用が終了(卒FIT)するユーザーに、魅力的なPVの余剰電力買取サービスを提供するとともに、同社グループ内の事業へ活用し、再生可能エネルギーのさらなる普及と持続可能な社会の構築への貢献を目指す。「スマートハイムでんき」の余剰電力買取サービスは昨年4月から仮申し込み受付を開始し、12月末時点で申し込み数が1万3千件を突破したが、申し込んだユーザーのうち、約25%がPVと蓄電池を搭載(買取価格12円/kwh)。
今年3月から北海道セキスイハイム工業とセキスイハイム工業中部事業所へ卒FIT電力の供給を開始する予定で、これにより再生可能エネルギーでセキスイハイムの生産が可能となる見込み。2021年度中をめどにすべての住宅生産工場とつくば市内の住宅カンパニーの研究開発部門への供給を開始する計画。
また、同社が開発を進める「あさかリードタウン」(埼玉県朝霞市)内に、2021年2月竣工予定の分譲マンション「HEIM SUITE Asaka」への卒FIT電力供給を予定している。さらに、2020年度に卒FITを迎えるユーザーを対象とした余剰電力買取サービスの申し込み受付を2月上旬から開始する。余剰電力の買取価格は2019年度と同様、PVと蓄電池を設置されているユーザーは12円/kwh、PVのみ設置のユーザーは九円/kwhとなる。