凸版 PP・PEで高機能包材のモノマテリアル化を実現

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2019年9月25日

 凸版印刷はこのほど、世界初となるボイル殺菌・ホット充填が可能なポリプロピレン(PP)基材の透明バリアフィルム「GL‐X‐BP」と、ポリエチレン(PE)基材の透明バリアフィルム「GL‐X‐LE」を開発したと発表した。

「GL-X-BP」「GL-X-LE」の製品例
「GL-X-BP」「GL-X-LE」の製品例

 両製品は、同社が世界トップシェアを誇る透明蒸着バリアフィルムブランド「GL BARRIER」シリーズの新ラインアップ。ポリエチレンテレフタレート(PET)基材に加え、PP・PE基材である透明バリアフィルムの提供が可能となり、3素材すべてでのモノマテリアル高機能包材を実現させた。

 「GL‐X‐BP」は、耐熱・耐水性に優れる。PP素材としてはこれまで実現が難しかったボイル殺菌・ホット充填に対応しており、ベビーフードやフルーツコンポートといった液体内容物を含む食品など、より広い用途の高機能包材への利用が可能になる。

 「GL‐X‐LE」は、透明蒸着では世界初となるPE基材のバリアフィルムで、ペットフードやビーフジャーキーなど乾物類への採用が見込まれる。本来は蒸着加工が困難なPE素材に対し、同社の高度な加工技術によりバリア性を付与することで実現した。

 「GL‐X‐BP」については、ラミネーションフィルムとして来年前半ごろから、「GL‐X‐LE」は単層フィルムとして来月から、それぞれ海外を中心にサンプル出荷・販売を開始する予定。国内外の食品、トイレタリー業界に向けて拡販し、2025年にモノマテリアル包材関連受注全体で約200億円の売上を目指す。

 同社は今後も、リサイクル適性を高めた多種多様な内容物に対応するモノマテリアル包材の開発を推進し、プラスチック資源循環に向けた様々な環境配慮型パッケージの展開をさらに強化していく。

凸版印刷など 吊り下げ型商品陳列什器に対応、「スマートシェルフ」開発

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2019年9月12日

 凸版印刷はこのほど、タカヤ(岡山県井原市)と共同で、吊り下げ型の商品陳列什器に対応した「スマートシェルフ」を開発したと発表した。読み取り精度の向上や、在庫管理システムのブラッシュアップを進め、2020年度以降の販売開始を目指す。

「スマートシェルフ」の全体イメージ(左)と読み取りイメージ
「スマートシェルフ」の全体イメージ(左)と読み取りイメージ

 少子高齢化による人手不足や働き方改革が大きな社会問題となっており、特に流通・小売業界では、業務効率化や顧客満足度の高いサービスを少人数で提供していくことが喫緊の課題となっている。

 こうした課題に対し凸版印刷は、商品管理の低価格ICタグ「SMARTICS‐U(スマーティックス・ユー)」を活用した陳列棚「スマートシェルフ」を開発・提供。店頭での棚卸業務や、接客業務の省人化・効率化を支援している。

 「スマートシェルフ」は、外装パッケージにICタグが貼付・内蔵された商品を取り出すと、それを自動で検知し、陳列された在庫が減少したことをリアルタイムで認識することが可能な陳列棚である。

 従来の「スマートシェルフ」では、シート型のアンテナの上に商品を置くことで、商品の有無の検知を行っていたが、今回の開発品では、吊り下げフックの部分にアンテナを装着しているため、任意の箇所で陳列が可能になる。

 また、デジタルサイネージを組み合わせることで、商品を手に取った瞬間にその商品の説明や関連広告の表示が可能。従来は店員が行っていた、商品の詳細説明や、関連商品の提案業務の省人化を実現する。

 凸版印刷は、今後も「スマートシェルフ」をはじめ、ICタグなどを利用し無線通信で情報のやりとりをする、RFIDを活用した省人化ソリューションを提供していく。なお同サービスは、東京ビッグサイトで開催される「第21回 自動認識総合展」(9月11~13日)の凸版印刷ブースにて展示されている。