出光興産 水添石油樹脂を値上げ、各種コストが増加

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2021年11月17日

 出光興産は16日、ホットメルト接着剤の粘着付与材やポリオレフィン用樹脂改質剤などに使用される水添石油樹脂「アイマーブ」の全グレードについて、12月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は「40円/kg以上」。

 主要産油国による協調減産継続とコロナ禍からの世界経済の回復基調を背景とした原油価格の上昇や、需要が増える冬場を控えた需給ひっ迫懸念に伴うエネルギー価格全般の上昇に伴い、当該製品の原料コストや用役費、また設備維持を目的とした修繕費や物流費といった各種コストが増加している。

 同社は、厳しい経済環境下、コスト低減に継続して取り組んでいるものの、このようなコストの高騰は自助努力により吸収できる水準を超えるものとなっているため、値上げせざるを得ないと判断した。なお、想定した原料など各種コスト状況が大きく変動する場合は、価格改定幅を修正することもあるとしている。

出光興産 カーボンニュートラル海上輸送を実施、グループ初

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2021年11月16日

出光興産はこのほど、原油の海上輸送中の燃料消費に伴うCO2排出量削減を目的に、グループ初の試みとしてカーボンクレジットを活用した日本中東間の原油海上輸送を行ったと発表した。

カーボンニュートラル海上輸送を実施したVLCC「日章丸」

 低炭素化・脱炭素化に取り組む顧客ニーズに応えるための先行事例として行った今回の取り組みでは、100%出資子会社である出光タンカー所有の大型原油タンカー(VLCC)「日章丸」(載貨重量:約30万t)の日本と中東との往復の海上輸送に、カーボンクレジットの環境価値を活用することで、理論上同区間航海一回分に相当する約1万トンのCO2排出量の相殺(オフセット)を実現した。

 今回活用したカーボンクレジットはVCM(Voluntary Carbon Markets)にて、信頼性の高い第三者検証機関が世界各地のプロジェクトのCO2排出削減効果を認証したもの。出光興産のシンガポールのトレーディング拠点である出光アジアが、クレジットを市場で独自に購入した。

 出光興産と出光タンカーは今後も、カーボンクレジットを活用したオフセットを含め、さまざまな手法を用いてカーボンニュートラルに貢献する海上輸送サービスを提供していく。また、出光グループは、カーボンクレジットの有効性を精査した上で、カーボンニュートラル関連の取り組みをもとにしたクレジット創出や、国内外で販売する各種製品とカーボンクレジットを組み合わせ、顧客や社会の環境負荷低減のニーズに応える新たな商品展開・販売を検討していく。

出光興産の4-9月期 資源価格上昇で大幅な増益を達成

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2021年11月10日

 出光興産は9日、2022年3月期第2四半期(4-9月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比42%増の2兆8670億円、営業利益1793億円(同1824億円増)、経常利益1971億円(同2229億円増)、純利益1427億円(同1748億円増)と、赤字だった前年同期から大幅な増益を達成した。

 決算会見において、木藤俊一社長は「原油価格を含む資源価格の上昇を受け、セグメント利益(営業利益+持分法利益)は約1900億円と高い水準となった。在庫影響を除いて約800億円となったが、この水準は統合前(2018年の合算ベース)の

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出光興産 次世代電池向け固体電解質、実証設備の稼働開始

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2021年11月9日

固体電解質の実証設備

 出光興産はこのほど、次世代電池として有望な全固体リチウムイオン電池向け固体電解質の商業生産に向けた実証設備について、主力事業所の1つである千葉事業所内に建設し、稼働を開始したと発表した。全固体リチウムイオン電池はEV向けなどに早期の実用化が求められており、そのキーマテリアルである固体電解質に対するニーズが近年ますます高まっている。同社は、今回の装置を使って固体電解質の量産プロセス実証を進めていく考えだ。

 近年、世界各国において厳しい環境規制や脱炭素社会の実現に向けた目標が掲げられ、EVや定置用電池などの市場が急拡大している。その中において、全固体リチウムイオン電池は、航続距離の拡大・充電時間の短縮・安全性向上などに寄与する、EV普及の鍵を握る次世代電池として実用化開発が進み、EV以外の様々な用途への適用範囲拡大も見込まれている。

 こうした中、同社は全固体リチウムイオン電池のキーマテリアルである固体電解質を開発。石油化学事業で培った高純度の硫化リチウム製造法を確立し、さらに硫化リチウムを原料とする硫化物系固体電解質について数多くの特許を保有している。 これまで蓄積してきた技術を実用化し、原料からの一貫生産と安定供給体制の構築を目指すべく、固体電解質の商業生産に向けた実証設備を建設し、稼働開始に至った。

 今後は固体電解質の量産プロセス実証およびさらなる性能向上などを図り早期事業化を推進していく。

出光興産 人事(1日)

2021年11月4日

[出光興産・人事](1日)▽ソーラーフロンティア取締役執行役員兼ソーラーラボ準備室長鶴滋人(12月1日)▽生産技術センター燃料油技術室長兼試験技術グループリーダー野村守▽千葉事業所化学品一課長星野幸一。

出光興産 出光スノーレの株譲渡、バランスシートをスリム化

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2021年10月29日

 出光興産は、連結子会社である出光スノーレ石油開発(出光スノーレ)の株式の一部をINPEXに譲渡することについて、INPEXと大阪ガスサミットリソーシズ(OSR)との間で株式譲渡契約を締結したと発表した。

 同契約は、出光興産が保有する出光スノーレ株式(50.5%)のうち1%をINPEXに譲渡し、同時にOSRが保有する出光スノーレ株式(49.5%)の全てをINPEXに譲渡する。譲渡完了後は、INPEXが出光スノーレ株式の50.5%、出光興産が49.5%をそれぞれ保有。

 出光興産にとっては、出光スノーレが持分法適用会社になることで、連結バランスシートの圧縮、スリム化につながる。なお、株式譲渡の完了は、ノルウェー政府による承認などを条件に来年初めを見込む。

 出光興産はこれまで、出光スノーレとノルウェー現地法人である出光ペトロリアムノルゲ(IPN)において、30年以上にわたりノルウェー北部北海地域やバレンツ海域での石油・天然ガスの探鉱・開発・生産事業を行ってきた。

 出光興産とINPEXはベトナム海上でのガス田開発、国内地熱事業を共同で実施するなど事業パートナーとして良好な関係を構築。今回の譲渡を通じ、両社が石油開発事業で培った技術的知見やプロジェクト運営のノウハウなどを用いて、IPNの事業運営を行う。これによりパートナーシップをさらに発展させるとともに、ノルウェーにおける当該事業のより一層の成長・発展を目指す。

 一方、ノルウェーは低炭素化・脱炭素化の取り組みの先進国として油ガス田の操業においても低炭素化技術を積極的に導入しており、IPN保有権益においても浮体式洋上風力発電や陸上水力発電からの電力供給などによる低炭素化を進めていく。

出光興産 洋野町太陽光発電所が運転開始、同町と協定を締結

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2021年10月26日

 

洋野町での調印式(左: 出光興産 渡邊信彦執行役員 電力・再生可能エネルギー事業部長 右:洋野町 水上信宏町長)

 出光興産はこのほど、子会社のRSリニューアブルズを通じて出資する「洋野町太陽光発電所」(岩手県洋野町、発電容量:1万6883kW)が完工し、運転を開始したと発表した。同発電所の年間発電量は約1812万kWhを見込んでおり、これは一般家庭約4000世帯分の年間電力使用量に相当する。

 同発電所は日照量の多い南向きの斜面にのみ太陽光パネルを配置。洋野町の地形を最大限生かすことで、造成工事の環境負荷低減と良好な発電効率を実現している。同発電所のオペレーション&メンテナンスは同社のグループ会社であるソーラーフロンティアが行い、稼働開始後も出光グループとして同発電所の長期安定稼働に貢献していく。

 また、出光興産は同発電所の事業主体である洋野ソーラーエナジー合同会社を通じて、大規模太陽光発電事業の継続と地域振興に貢献することを目的とした協定を洋野町と締結。事業実施における地元企業の優先活用や、町民への環境教育の場の提供などに努め、今後も洋野町とともに再生可能エネルギーの活用・普及に取り組む。

出光興産など エネルギーマネジメント実証試験を開始

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2021年10月25日

 出光興産、国富町(宮崎県)、日本ユニシス、スマートドライブの4者はこのほど、「自治体公共施設における太陽光発電システム、蓄電池、EVを活用したエネルギー利用の最適化と災害時のレジリエンス向上のためのエネルギーマネジメント実証」のシステム運用を国富町において開始した。

 国富町役場に、太陽光発電システム、蓄電池、EV充放電器、EV充電器、EV(公用車)からなるリソース群、およびEV稼働状態予測に活用する車両管理システムとエネルギーマネジメントシステムを導入、2023年3月31日までの実証を予定している。

 実証実験では、出光興産と日本ユニシスがソーラーフロンティア(出光興産100%子会社)の国富工場においてエネルギーマネジメント技術の開発を目指す実証実験において基礎検証を行ったエネルギーマネジメントシステムを活用。国富町の協力のもと町役場における日々の電力とモビリティ利用に実証機器の充放電制御スケジュールを最適化する検証を行うことで、エネルギーコストや環境負荷の低減と災害時のレジリエンス向上につながるシステムを構築する。

 出光興産、日本ユニシス、スマートドライブの三社は今後、実証実験で得た知見をもとに、今回構築したシステムを活用して自治体への再生可能エネルギーの導入とモビリティの電動化によるエネルギーの脱炭素化促進、災害時のレジリエンス向上に役立つサービスの構築を目指す。

出光興産 ベトナムにブラックペレットの工場を建設

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2021年10月25日

石炭との混焼でCN貢献、供給拠点の拡大に注力

 出光興産は21日、石炭のバイオマス混焼として取り組むブラックペレットについて、大型商業プラントをベトナム ビンディン省に建設すると発表した。生産能力は年産12万t。2022年度上期の稼働開始を予定しており、生産されたブラックペレットは「出光グリーンエナジーペレット」の名称で、日本市場向けに販売していく。

 また新プラント建設に合わせ、実証試験を進めていた

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ENEOS 出光興産と知多事業所の設備譲渡契約を締結

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2021年10月22日

 ENEOSはこのほど、同社が運営する知多事業所(旧知多製造所、愛知県知多市)について、出光興産との間で設備譲渡契約を締結したと発表した。

 同事業所は先月9月末をもって製造機能を停止。パラキシレン製造装置(年産40万t)、トルエン不均化装置(日産8800バレル)、シクロヘキサン製造装置(年産22万t)などの設備を備える。

 両社は、同事業所のパラキシレンをはじめとする石油化学製品の製造設備の譲渡について、昨年10月に基本覚書を交わし、今年2月に基本契約を締結、詳細条件の合意に向けて協議を行っていた。今後は、安全に設備を譲渡するための工事などを実施し、来年10月1日をめどに設備の譲渡を行う予定。

 ENEOSは引き続き、基盤事業とする石油製品・石油化学製品事業でのサプライチェーン全体の競争力強化を図りながら、安定供給を前提とした最適な生産・供給体制の構築を迅速に推進していく考えだ。