出光興産 豪鉱山跡で揚水型水力発電事業化の調査開始

2019年7月29日

 出光興産は26日、子会社である出光オーストラリアリソーシス社を通じて権益を所有する、オーストラリアのマッセルブルック石炭鉱山での揚水型水力発電事業化へ向けた調査を、同国大手電力会社のAGLエナジー社と共同で行うと発表した。同調査は再生可能エネルギーの活用推進と地域貢献を目的に、来月から実施する。

 同プロジェクトは、マッセルブルック石炭鉱山の採掘跡地と隣接する丘陵地(ベルズマウンテン)の地形に着目した揚水型水力発電事業。

 同石炭鉱山の採掘跡地を下部貯水池に転用し、日中と夜間の安価な太陽光や風力などの再生エネルギー電力で、下部貯水池に溜まった水を上部貯水池に汲み上げる。

 早朝と夕方の需要帯に、水の落差を利用してタービンを回し発電することを想定しており、発電規模は250MWとなる見込み。AGLエナジー社と共同で事業化調査を進め、商業化を検討する。

 両社は今後も、再生可能エネルギーの活用を推進するとともに、日本とオーストラリアのエネルギーセキュリティに貢献するための様々な機会創出を目指す。

出光興産 日産自動車と家庭向け電力供給サービスを開始

2019年6月20日

 出光興産はこのほど、日産自動車と協業し、日産自動車の国内販売会社を通じ、家庭向け電気料金プランの提供を開始すると発表した。ガソリン車の顧客のサービスのみならず、電気自動車(EV)「日産リーフ」購入者に、家庭でリーズナブルに充電してもらうことで、より多くの顧客に快適なカーライフを提供する。

 出光興産の家庭向けの電力プランは、顧客に快適なカーライフを提供するため、カーユーザー向けの特典を備えることが特徴。今年4月には、シェルのSSで受けられるガソリン車ユーザー向けの特典に加え、EVユーザー向けの特典や、オール電化向けの電力プランを用意することで、より多くの顧客がライフスタイルに合わせて選択できるサービスの提供を開始し、好評を得ている。

 今回、日産自動車との協業により、国内販売会社でEVを購入した顧客に、購入後の充電コストについても相談できる環境を提供することで、利便性が高く効率的なEV充電環境の整備に貢献する。また、快適なカーライフを提供してきた歴史を生かし、日産自動車を購入するすべての顧客に魅力的な電力プランを提案する。

 出光興産は、今後も、幅広い再生可能エネルギーを含む自社電源を持つことで、持続可能なエネルギー供給に努めるとともに、より多くの顧客の快適なカーライフの実現に取り組んでいく。

出光興産 中国恵州に2020年稼働予定の潤滑油製造工場を新設

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2019年6月14日

 出光興産はこのほど、中国での高性能潤滑油の需要増加に対応する供給能力強化を目的に、100%出資子会社である恵州出光潤滑油を通じ、中国で2カ所目となる恵州工場を新設すると発表した。新工場は年間12万klの生産能力を有する最新鋭の工場で、2020年中の完工を目指す。新工場建設着工にあたり、5月に起工式を行った。

 世界最大の潤滑油市場である中国は、自動車産業をはじめとする各産業の発展により潤滑油需要が増加を続けており、今後も堅調な増加が見込まれる。

 出光興産は2003年、天津に天津出光潤滑油=現・出光潤滑油(中国)=を設立し、翌年に同社にとって中国初となる潤滑油工場の操業を開始した。その後、中国国内の潤滑油販売体制構築を図るため上海、広州、長春、北京、重慶に分公司を設置。

 また、2018年10月には、現地のニーズにマッチした潤滑油商品の迅速な開発を目指し、同社の開発センターを上海に開設した。今回、中国で2カ所目となる工場新設により、年々拡大する販売に対応し、安定的な供給を図る。

 同社は今後も、中国での地域密着の製造・販売体制を確立していくとともに、潤滑油のグローバルサプライヤーとして事業の強化・拡大を目指していく。

出光・宇部など CO2固定化と利用へ研究会を発足 

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2019年6月11日

 出光興産・宇部興産・日揮の3社は10日、CO2の固定化と利用に関する新技術開発を目的とする研究会を設立したと発表した。研究会の名称は「CCSU(Carbon dioxide Capture and Storage with Utilization)研究会」で、3月に設立した。

 複数の大学の参画を得て、産学の協働により、カルシウムなどを多く含む産業廃棄物を活用し、火力発電所や工場から排出されるCO2を資源へ転換する。

 産業廃棄物をCO2と反応させて炭酸塩化・高付加価値化し、さらに、この炭酸塩や金属イオン抽出後の残渣を、建築・土木材料、各種工業材料などの資源として活用することを目指す。

 3社のCO2削減へ向けた長年の知見や技術開発力と、今回参画する各大学が有するトップクラスの研究力を集結させ、気候変動対策と資源の確保に向け、新技術の開発を迅速に進める。

出光興産 人事②(7月1日)

2019年6月7日

[出光興産・人事②](7月1日)▽出光リテール販売中国カンパニー社長藤井厳充▽アストモスエネルギーコーポレート本部経理部長花田武和▽沖縄出光取締役沖縄油槽所長藤浩和▽出光ルブテクノ京浜事業所業務部長河村章▽出光プランテック徳山大浦事業所長高松勝正▽出光アジアパシフィック経理財務企画グループリーダー井上光太郎▽出光ベトナムガス開発ホーチミン鉱業所長兼資源部ホーチミン事務所松田学▽同部同事務所長、出光ベトナムガス開発ホーチミン鉱業所副所長西塚知久▽同部同事務所、同社同鉱業所副所長小宮洋介▽出光オーストラリアリソーシス副社長宇山史剛▽出光電子材料中国管理部長伊藤光▽出光ケミカルズ香港総経理兼上海出光化学有限公司深圳分公司総経理高木良造▽出光潤滑油(中国)有限公司筆頭副総経理北村健▽出光ルブリカンツアメリカ副社長兼デトロイト事務所長大矢泰正▽出光ルブサウスアメリカ社長木内卓也▽徳山オイルクリーンセンター工場長林克昭▽石油コンビナート高度統合運営技術研究組合技術部次長西塚隆。

 

出光興産 人事①(6月19日)

2019年6月6日

[出光興産・人事①](6月19日)▽出光ファシリティサービス社長片島宏二▽出光ルブテクノ京浜事業所長兼業務部長原田徹▽出光プランテック北海道社長野崎隆生▽京葉シーバース社長黒田靖司(6月21日)▽人事一部企画課長永和洋次郎▽千葉事業所人事課長野村浩樹▽出光アジアパシフィック社長兼経営サポートグループリーダー山本洋(6月24日)▽千葉事業所潤滑油一課長進藤禎治▽出光プランテック千葉副社長大竹昭夫(6月27日)▽供給企画部次長兼企画課長山田秀樹▽製品需給部構造改革担当アドバイザー澤山秀哉▽沖縄ターミナル常務取締役岸主税(7月1日)▽解兼企画一課長、経営企画部次長槇啓▽経営企画部企画一課長記野貴之▽資源部企画担当部長綿引勇治▽石炭事業部次長兼企画課長冨澤健治▽同事業部販売担当部長山本善弘▽同事業部西日本営業所長多田茂夫▽海外事業部ガス事業企画管理課長白川敏行▽生産技術センタープロジェクト室長兼出光エンジニアリングプロジェクト部長武市征英▽解兼出光エンジニアリングプロジェクト部、生産技術センタープロジェクト室海外事業技術グループリーダー山嵜北斗▽同室プロジェクトグループリーダー森庄次▽電子材料部安全・品質保証グループリーダー貞嶋孝典▽化学事業部物流課長森川正樹▽機能化学品部コンパウンド企画管理課長小野寺勤▽同部コンパウンド生産技術課長品川剛数▽同部コンパウンド需給課長黒澤幸一▽同部機能材料研究所基盤技術グループリーダー池田昇平▽解兼潤滑油調達課長、潤滑油一部次長井上享一▽同部潤滑油調達課長鈴木夏也▽潤滑油二部中部潤滑油課長立松義治▽販売企画課長、北海道支店副支店長二ノ倉努▽北海道支店販売一課長佐野修▽千葉事業所製油一課長佐久間修也▽同事業所化学品一課長菅井正▽同事業所工務課長山本浩司▽同事業所安全環境室長松本崇▽愛知製油所工務課長北野仁▽同製油所動力課長矢羽田健二▽徳山事業所管理課長板垣秀人▽同事業所技術課長茂木広明▽同事業所化学品一課長角田和義▽同事業所化学品二課長重田泉▽同事業所安全環境室長野中進▽出光エンジニアリングプロジェクト部プロジェクト管理課長田中聡。

 

出光興産の3月期 石油製品の在庫影響など響き減益に

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2019年5月16日

 出光興産が15日に発表した、2018年度(2019年3月期)の連結業績によると、売上高は前年度比19%増の4兆4251億円、営業利益11%減の1793億円、経常利益25%減の1691億円、純利益50%減の815億円となった。

 業績をセグメントで見ると、石油製品セグメントは売上高22%増の3兆4889億円、営業利益36%減の565億円。原油の輸入価格が上昇したことなどにより増収。製品マージンの改善があったものの、精製用燃料費の増加や在庫評価影響の減少などで減益となった。

 石油化学製品セグメントは、売上高11%増の5554億円、営業利益25%減の318億円。ナフサ価格が上昇し増収。製造用燃料費の増加およびスチレンモノマーなどの市況要因などにより減益となった。

 資源セグメントは、売上高6%増の3080億円、営業利益30%増の871億円。石炭事業では、石炭価格が大幅に上昇した影響などにより増収増益となった。

 その他セグメントは、売上高4%増の728億円、営業利益7%増の78億円となった。

なお、2019年度(2020年3月期)の通期連結業績予想では、売上高6兆7900億円、営業利益2200億円、経常利益2285億円、純利益1600億円を見込んでいる。

【わが社のオンリーワン製品2】出光興産 シンジオタクチックポリスチレン

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2019年5月10日

 出光興産のシンジオタクチックポリスチレン(SPS)は、スチレンモノマーを原料とする結晶性のポリスチレン(PS)である。

森川課長02
森川課長

 1985年に中央研究所(現・次世代技術研究所)で、同社のコア技術であるメタロセン触媒を使い、世界で初めて合成に成功。97年に千葉事業所で商業運転を開始し、「ザレック」の製品名で展開している。

 通常のPSがエチレン鎖にベンゼンがランダムに結合する非晶性構造であるのに対し、SPSはベンゼンが規則的に交互に結合することで、通常のPSにはない性質を発現した。

 その特長は、電装用途に求められる耐熱性、低比重による軽量性、電気絶縁性、電波透過性、信号伝送特性、耐水性、耐薬品性など。

 エンジニアリングプラスチックであるが、耐熱性は約270℃というスーパーエンプラ並みの融点を実現。軽量性については、エンプラの中で最も軽い樹脂の1つであることから、自動車用途では燃費向上につながる。

 そのほか、電気絶縁性は部品の小型化・高電圧化、電波透過性は高周波を使用するレーダーの性能向上、信号伝送特性は通信の大容量化・高速化に、それぞれ貢献する。

 「剛性・ねじれという機械的特性にやや難があり、耐薬品性に優れていることで、かえって接着剤などによる接着・接合がしづらい」(機能化学品部SPS課の森川正之課長)という面はあるものの、こうした特長が評価され、用途の6~7割を占める “【わが社のオンリーワン製品2】出光興産 シンジオタクチックポリスチレン” の続きを読む

出光興産 徳山事業所で高効率ナフサ分解炉の起工式

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2019年5月7日

 出光興産は徳山事業所(山口県周南市)で、従来比約30%の省エネルギー効果がある高効率型ナフサ分解炉の建設起工式を、4月25日に行った。

鍬入れする八山所長
鍬入れする八山所長

 同社は装置の高効率化によるコスト競争力の強化を目的として、エチレン製造装置内にある旧型のナフサ分解炉2基を、高効率ナフサ分解炉一基へ更新することを決定した。2020年内の完成を予定。

 高効率ナフサ分解炉は、原料を短時間で熱分解しエチレンの得率を高め、熱効率を向上させる仕組みで、従来の分解炉によるエチレン生産時と比較し約30%の省エネルギー効果が発揮される。

 徳山事業所は、1957年に出光初の製油所として操業を開始し、1964年に石油化学工場を立ち上げた。現在は周南コンビナートを形成する中核企業として、国内生産量約11%のエチレンを生産しコンビナート各社へ安定供給するとともに、競争力強化に向けた取り組みを行っている。

 なお今回の更新は、工場の省エネルギー化を支援する経済産業省の「平成30年度省エネルギー投資促進に向けた支援補助金」に採択されたもの。

 同社は、今後も事業活動に伴う環境負荷の低減に注力するとともに、地球環境と経済が調和した地域社会の形成への貢献を目指していく。