[出光興産・役員人事](2019年4月1日)▽代表取締役副社長執行役員製造技術、エネルギーソリューション、技術商品担当岡田智典▽取締役副社長執行役員石油化学、高機能材、知財・研究、ベトナムプロジェクト担当松下敬▽取締役専務執行役員人事、情報システム、総務、内部統制担当兼安全環境本部長兼品質保証本部長新留加津昭▽副社長執行役員資源、経営企画、渉外・広報、ESG、法務担当丹生谷晋▽常務執行役員経理・財務担当鷺島敏明▽同役員石油化学担当本間潔▽顧問丸山和夫。
2018年12月20日
2018年12月10日
出光興産はブラックペレット(半炭化ペレット)の2020年の生産開始に向け、タイでプラントの建設準備を進めている。「環境に調和した石炭事業の一環」として、ブラックペレット供給事業を開始する。
6日に都内で開催した「第15回アポロエナジーミーティング」に先立ち行った、バイオマス特別講演で明らかにした。タイの地元企業2社と共同で、スラータニー県に年産10万tレベルの工場を建設する。来年、着工の予定。全量を日本で販売する。
すでにデモプラントが完成しており、製法の検討とサンプル出荷を開始した。原料は樹液の出なくなったゴムの木を使う。将来的にはタイ各地に工場を建設し、生産を拡大する計画だ。
自ら製造する以外に、インドネシアのブラックペレット製造者からの仕入れ販売も行う方針で、日本市場への独占販売権について合意した。
現在、日本でも石炭火力の混焼用として、通常の木質ペレット(ホワイトペレット)が使われている。しかし、ホワイトペレットは
2018年12月5日
出光興産はこのほど、中国での有機EL材料のさらなる需要拡大に備え、中国・成都市内に、有機EL材料製造工場を建設するとともに、顧客への技術支援を強化すると発表した。
近年、スマートフォンや大型テレビなど、多くの製品に有機ELディスプレイの採用が進んでいる。中国では、政府が推進するディスプレイ産業の振興政策を背景として、大手ディスプレイメーカー各社による有機ELディスプレイ製造設備への投資が加速しており、今後同国は、有機ELディスプレイ生産国として著しく成長する見込み。
同社は、2007年に静岡県御前崎市、2012年に韓国・京幾道パジュ市で有機EL材料工場の稼働を開始し、これまで主に韓国の顧客向けに材料を提供してきた。今回、中国顧客への材料安定供給の責任を果たすべく、第3の製造拠点として中国内に有機EL材料の製造工場を建設する。なお、装置能力は年産12t。来年11月に竣工し、商業生産開始は、2019年度第4四半期を予定している。
2018年11月15日
2018年10月30日
出光興産は29日、徳山事業所(山口県周南市)で、高効率型ナフサ分解炉を導入し、省エネルギーを推進すると発表した。エチレン製造装置内にある旧型のナフサ分解炉2基を停止し、新設する高効率ナフサ分解炉1基へ置き換える。
高効率ナフサ分解炉は原料を短時間で熱分解することで、エチレンの得率を高め、熱効率を向上させる。これにより、従来の分解炉によるエチレン生産時に比べ、約30%の省エネ効果が発揮できる。9月に着工しており、工事終了は2020年12月を予定している。
ナフサは粗製ガソリンとも呼ばれる石油製品の1つ。分解炉を経由し熱分解することで、エチレンやプロピレンなどといった石油化学製品の基礎原料となる。
同社は第5次中期経営計画で、装置の高効率化によるコスト競争力の強化を掲げており、その一環として今回の工事を行うことにした。
なお、この取り組みは工場の省エネ化を支援する、経済産業省の今年度の「省エネルギー投資促進に向けた支援補助金」に採択されている。
2018年10月30日
出光興産は29日、徳山事業所(山口県周南市)でバイオマス発電所の事業化検討を開始したと発表した。製油所跡地と既存の地域インフラを利用する。
営業運転開始は2022年度内の予定。発電出力は5万kW。年間発電規模は約10万世帯分の電力に相当する3億6000万kWh。燃料使用量は年約23万t。
発電出力が大きいことから、営業運転開始後は燃料として再生可能エネルギーである、輸入木質ペレットとパーム椰子殻を使用する。中長期的には間伐材や製材端材など、国産材へのシフトを進める予定だ。
これにより、環境保全に配慮した持続可能な森林づくりと林業再生、地域振興、循環型経済の構築と発展を目指す。CO2削減量は約23∼30万t/年を見込んでいる。
徳山事業所は1957年に出光初の製油所として操業を開始。57年後の2014年3月に、エネルギー供給構造高度化法に伴い運転を停止し、現在は化学事業の主力拠点として、競争力強化に向けた取り組みを実施している。
同社ではエネルギーを取り巻く環境変化を踏まえ、エネルギー源の多様化とベストミックスの構築により、日本のエネルギーセキュリティへの貢献と、再生可能エネルギー事業を推進していく。
2018年10月23日
2018年10月17日
出光興産の木藤俊一社長と昭和シェル石油の亀岡剛社長執行役員CEOは16日、都内のホテルで記者会見を行い、経営統合に関する株式交換契約を同日締結したと発表した。12月18日に開催予定の両社の臨時株主総会を経て、来年4月1日に統合新社が発足することになる。
統合新社の社名は出光興産で、国内のトレードネームとして「出光昭和シェル」を使う。代表取締役会長に出光の月岡隆会長、代表取締役副会長執行役員に昭和シェルの亀岡社長、代表取締役社長執行役員に出光の木藤社長、代表取締役に出光の岡田智典副社長執行役員が就任する。また、出光の創業家から出光正和日章社長が非常勤取締役、久保原和也弁護士が社外取締役として経営に加わる。
経営統合は、出光の株式を昭和シェルの株主に交付し、出光が昭和シェルの発行済株式の全部を取得する株式交換により行う。昭和シェル株1に対し、出光株0.41を割り当て、同年3月27日に昭和シェルは上場廃止となる。
最初にあいさつを行った亀岡昭和シェル社長は、
2018年10月10日
出光興産・国際石油開発帝石・三井石油開発の3社は、2011年から地熱開発の共同調査を行っている秋田県小安地域で、掘削した井戸の能力を把握するため、9月28日~10月18日(予定)にかけて噴気試験を実施している。
小安地域では地下資源の探査・井戸の掘削・蒸気の供給など地熱開発のノウハウを有する3社が共同で開発に取り組んでいる。
噴気試験の実施目的と内容については、5~9月に掘削した試験生産井A-1とA-2号井で噴気試験を実施。実際の生産井と同規模の井戸で、1~2週間の連続噴気により生産能力を評価する。
同試験を通じて井戸の噴気能力(蒸気量)、地下温度、地熱流体の化学成分、井戸周辺の透水性などについて検証作業を行う。今後は、18~21年度にかけて第3段階の調査(①生産・還元試験、②貯留層能力評価、③環境影響評価など)を実施していく。
日本には豊富な地熱資源が存在しており、米国、インドネシアに次ぐ世界第3位のポテンシャルがある。
地熱発電は天候に左右されずに安定的な電力供給が可能な再生可能エネルギーとして注目されており、東日本大震災以降、国立・国定公園内の地熱開発にかかる規制緩和や再生可能エネルギー固定価格買取制度施行に伴い、現在、国内各地で調査・開発が進められている。
出光興産はエネルギー事業での環境負荷低減へ向けて、地熱などの再生可能エネルギーを今後も推進していく考えだ。
2018年9月19日
出光興産は18日、100%子会社の出光複合工程塑料(広州)=ICG=で、エンジニアリングプラスチックのコンパウンド製品の生産能力を増強すると発表した。需要の伸びに対応するため。完工予定は12月で、生産能力は年産2万tから同2万5000tになる。
中国では自動車産業をはじめとする各産業で、エンジニアリングプラスチックの需要が増加している。ICGは2008年の設立以来、主に中国・アジア圏向けに、出光興産のエンジニアリングプラスチックである、ポリカーボネートとシンジオタクチックポリスチレンのコンパウンド製品を生産。高い混錬技術や調色技術により、自動車電装部品やOA機器外装部品に使われている。
調色技術とは合成樹脂原料などを、顔料や染料を使い、定められた色調に着色すること。特にエンジニアリングプラスチックは、300℃レベルで高温加工されるため、色調管理の難易度が高い。
近年、同社のエンジニアリングプラスチックは、自動車分野で需要が年率約10%伸長していることから、顧客への安定的な供給を継続するため、コンパウンド設備を増強することにした。
なお、シンジオタクチックポリスチレンは、1985年に同社が世界初の合成に成功し、97年に工業化した樹脂。軽く(低比重)、耐熱性・耐熱水性・耐薬品性・電気特性(電気絶縁性・高周波特性)に優れ、自動車電装部品やモバイル機器、家電製品の部品などに用いられている。