昭和電工は5日、連結子会社のSHOWA DENKO CARBON Products GermanyとSHOWA DENKO CARBON Germanyのドイツ・マイティンゲンにある生産拠点の閉鎖について、労使協議を開始したと発表した。同拠点は現在、黒鉛電極の継手を生産しているが、閉鎖後の同社グループの継手の生産は大町事業所に集約される。
同社の黒鉛電極事業は、高品質UHP市場でグローバルトップのシェアを有する事業だが、昨年下半期より、顧客である電炉鋼メーカーにおける黒鉛電極の在庫調整が継続し、特に景気減速が目立つ欧州市場においては稼働率の低下が生じている。
マイティンゲンの生産を停止した場合、同社の黒鉛電極のグローバルでの生産能力は、4万t減の年産21万tとなる。なお、これに加えて、同連結子会社のオーストリア・スティーグの生産拠点では、すでに期間を限定した一時帰休に向けての労使協議も開始しており、今回の件と併せ欧州での稼働調整を図っていく。
同社グループは、個性派企業(収益性と安定性を高レベルで維持できる個性派事業の連合体)の実現をVision(目指す姿)としており、黒鉛電極事業は個性派事業の1つ。今後も、顧客にとっての〝Value in Use №1〟を達成し、これまで以上に競争力と収益性を高めるための施策を実行していく考えだ。