NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)はこのほど、環境エネルギー、北九州市立大学、HiBD研究所の3者が、国産特許技術「HiJET技術」により持続可能な航空燃料(SAF)の国際規格「ASTM D7566」の「Annex2」に適合したバイオジェット燃料の製造に成功したと発表した。国内の企業や大学などが「Annex2」準拠のバイオジェット燃料を製造するのは初となる。
同技術は、化石燃料から
2023年6月19日
2021年2月4日
クレハ、西松建設、北九州市立大学、日本アイリッヒ、九州工業大学が共同研究した「発電由来燃焼灰の改質による超低環境負荷型コンクリート製品の実現」が、環境省主催の令和2年度「気候変動アクション環境大臣表彰」で、「開発・製品化部門(緩和分野)」の環境大臣表彰を受賞した。同表彰は、環境省が気候変動の緩和および気候変動への適応に関し顕著な功績のあった個人または団体を表彰するもので、これまでの「地球温暖化防止活動環境大臣表彰」が今年度よりリニューアルされたもの。
建築業の基幹材料であるコンクリートのCO2排出量は、90%以上がセメントに由来するため、セメントに比べて極めて環境負荷の小さいジオポリマーが近年注目されている。ジオポリマー生成に必要な活性フィラーとして、発電由来の燃焼灰や高炉スラグの微粉末などが使われるが、発電由来燃焼灰はコンクリートの流動性に悪影響を及ぼすため、活性フィラーとして使用するには未燃炭素を3%以下にする必要がある。
今回の受賞技術は、独自の浮遊選鉱技術により発電由来の燃焼灰から効果的に未燃炭素を除去する改質技術と装置で、セメントフリーなジオポリマーコンクリート二次製品の製造を可能にする。従来のコンクリート製品に比べCO2排出量を50%削減でき、建築材料分野での気候変動抑制への貢献とともに、発電由来燃焼灰の有効活用により環境循環を促進できる点が評価された。
クレハいわき事業所には石炭火力発電設備があり、その発電由来燃焼灰を産業廃棄物として処理することが地球環境保全上の課題であった。同技術で発電由来燃焼灰を改質しジオポリマーコンクリート製の縁石を作り、同事業所の発電施設周辺に施工することで、実用化を実証した。
クレハはこれからも気候変動や資源循環への取り組みを積極的に進め、持続可能な社会の発展への貢献を目指していく考えだ。