デンカはこのほど、新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスを1つのデバイスで同時に診断可能な抗原迅速診断キットの国内製造販売承認を、厚生労働省から取得したと発表した。
同コンボキットはコロナとインフルエンザの両方を十分で判定することが可能となる。そのため、コロナ抗原有無の判定時間を15分から10分に短縮した(同社製品比)。製品名を「クイックナビ-Flu+COVID19Ag」として、デンカと販売提携先の大塚製薬の2社から販売を予定している。
同コンボキットはイムノクロマト法で特別な検査機器を必要とせず、一般の医療機関でも迅速かつ簡便に検査を行える。1つのキットでのインフルエンザとコロナの同時診断に加え、診断時間の短縮により医療機関のさらなる負担軽減、および医師の指導の下で医療機関・高齢者施設などでの速やかなスクリーニング検査体制構築と感染拡大防止に貢献していく。
同社が昨年8月に発売した新型コロナウイルス抗原迅速診断キット「クイックナビ-COVID19Ag」は、今年3月に国内の医学専門誌に掲載された論文の中では、PCR法による検出と比較して抗原検査の感度は86.7%、特異度は100%と示された。また、一般に偽陽性と呼ばれる例は確認されなかったなど、実際の使用に対し十分な性能が示されたと結論づけている。同社は感染症対策を社会的責務と捉え、抗原迅速診断キットについてはすでに1日最大13万検査分の生産体制を構築している。
今後も、検査時間のさらなる短縮や感度向上キットの開発を進め、予防・検査体制の拡充を通じて人々のQOL向上に貢献し、「真に社会に必要とされる企業」を目指していく。