デンカとグループ会社のデンカリノテックは、リノテックのコンクリート構造物の診断技術を活用し、世界文化遺産である京都・醍醐寺の文化財保全事業にKYOTO’S 3D STUDIOを通じて参画した。今回の取り組みは、第25回国際博物館会議京都大会(1~7日:国立京都国際会館)の醍醐寺ブースで紹介している。
リノテックの診断技術は360度全方向へのレーザースキャニングにより、文化財などでの構造点群データを取得し、そのデータ情報を元に設計・施工から維持管理を行うもので、図面や設計図がない構造物にも適用することができる。
加えて、損傷状況や修復履歴などの維持管理情報を三次元構造物モデルに関連づけしたBIM/CIMに応用し、立体的な資料として効率的に一元管理することが可能だ。
さらに今後は、こうした3Dデジタル計測技術を、デンカが創業以来培ってきた無機材料設計・補修材料・施工技術と組み合わせることで、種々ある文化財のうち、歴史的価値の高いコンクリート構造物の効率的な長寿命化・高耐久化などにも取り組んでいく。
デンカグループは経営計画「Denka Value‐Up」の下、「基盤事業のスペシャリティー化」を進めている。後世に伝え続けていかねばならない文化財保全事業の一翼を担うべく最先端の高付加価値インフラソリューションを提供し、SDGs(持続的な開発目標)の1つである「住み続けられるまちづくり」の実現に貢献していく考えだ。