旭硝子財団は6日、第28回「地球環境問題と人類の存続に関するアンケート」調査結果を発表した。同財団は、1992年より、毎年、世界の環境有識者を対象に環境アンケート調査を実施。環境アンケートを通じて環境有識者のみならず、より多くの人々に環境への関心をもってもらい、地球環境問題の解決に貢献することを目指している。
今年は世界205ヵ国に調査票を送付し、143ヵ国、2072人から回答を得た。調査結果の要点として、人類存続の危機に関する認識では、世界全体の平均環境危機時刻は9時46分だった。昨年は調査開始以来最も針が進んだが1分戻った。日本の環境危機時刻の平均は9時39分となり、昨年に比べ8分進んでいる。
また危機意識が高いのは、昨年同様、オセアニア、北米、西欧の3地域。東欧・旧ソ連も9時台となったが、アフリカは全地域中で唯1、8時台となった。環境危機時刻を世代別に見ると、「60代以上」の危機意識が9時57分と最も高い。
危機時刻を決める上で念頭に置く項目は2011年以来一貫して「気候変動」が最多数を占めるが、環境に対する危機感を時刻から見ると、「生物圏保全性(生物多様性)」が9時58分と最も高かった。
一方、今年から環境問題への取り組みに対する改善の兆しは見られるかという設問を設定。項目として最も多く選ばれたのは「気候変動」だった。また、脱炭素社会への転換については、地域差はあるが全体として僅かながら改善が見られた。
なお、調査結果は財団ウェブサイト(https://www.af-info.or.jp)で閲覧できる。