塩ビ工業・環境協会(VEC)が発表した需給実績によると、3月の塩ビ樹脂(PVC)の国内出荷は、前年同月比9.1%減の7万9000tと11ヵ月連続のマイナスだった。硬質用は同7.8%減の4万1200t、軟質用は同8.8%減の1万8900t、電線・その他用は同12.1%減の1万8900tと、いずれの用途も前年割れを継続した。3月までの
塩ビ樹脂 3月の国内出荷は9%減、輸出は26%増
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米国品減少で需給が改善、在庫積み増しの動きも
塩ビ樹脂(PVC)の2月分のアジア輸出価格は、インド向けが前月比140ドル高の1000ドル、中国その他向けが同70ドル高の885ドルで決着した。インド向けは5ヵ月ぶりに1000ドル台となり、中国向けも4ヵ月ぶりに800ドル台を回復している。台湾大手メーカーも、インド向け同90ドル高の930ドル(ボリュームディスカウントなし)、中国向け同70ドル高の885ドル(同なし)で決着。両地域とも2ヵ月連続でプラスとなり、アジアの輸出環境が持ち直してきたことが伺える。
インドは需要期に入り農業用パイプなどの引き合いが強まっている。しかし、海外メーカーが内需の不振で余剰となった玉をインド向けに輸出したため、昨年の夏場から輸出価格は下落基調を強めていた。こうした中、12月に入り、在庫調整がひと段落した米国品をはじめ海外品のインドへの流入が一服。需給バランスがタイト化したことで、先高観から在庫を積み増す動きが強まった。これを受けてインド向け輸出価格は反転し、1月に90ドル高となり、2月も140ドル高とさらに上昇する結果となっている。
ただ3月についてはステイあるいは弱含みになるとの見方が出ている。2ヵ月間で230ドル高となった反動で調整局面になることや、在庫を積み増した需要家が様子見になることが想定される。また輸出価格が持ち直してきたことで、米国品や中国品が急増し、上値が抑えられるとの指摘もある。
一方、中国は、行動制限による需要減退に加え、不動産問題が解消されないこともあり、PVCの内需が盛り上がりを欠く。また、輸入したPVCが使用される再輸出品も、輸出先である欧米の景気悪化で引き合いが弱い状況が続いている。1、2月の中国向け輸出価格の上昇は、インドの価格に引っ張られたとの見方が強く、3月についてもインド価格に合わせた値動きとなりそうだ。ただ、ゼロコロナ政策が解除されことで、中国経済が回復することへの期待が高まっている。中国政府の対策次第では景気が好転する可能性もあり、今後の市場動向が注目される。
なお、日本の12月のPVC輸出は前年同月比12.5%減の4万3200tと5ヵ月連続でマイナスとなった。2022年累計では54万tとなり、前年から5万tも減少している(VEC発表)。2023年についても、輸出環境が改善しない限り、輸出量は月間4万t台で推移すると見られる。
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