エレファンテック 電子部品に向けNiナノインク開発へ

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2021年10月6日

 プリンテッド・エレクトロニクス製造技術の開発やサービス提供を行うエレファンテックは5日、SSテクノ(福岡県小郡市)、大阪産業技術研究所(大阪技術研)と共同で、インクジェット(IJ)用ニッケル(Ni)ナノインク開発とNi電極・配線形成IJプロセス開発に向けた評価を開始したと発表した。エレファンテックはこのプロジェクトにより、電子部品製造プロセスに貢献する金属ナノインクの開発を目指す考えだ。

ニッケル(Ni)インクをバーコート塗布し、無電解銅(Cu)めっきで積層したサンプルの断面
ニッケル(Ni)インクをバーコート塗布し、無電解銅(Cu)めっきで積層したサンプルの断面

 IJ印刷の対象となる基材は、焼成温度が比較的高温になるセラミクスやガラス、シリコンウエハなどを想定する。 

 Niナノインクを利用した電極の形成は、薄膜化のメリットがある。例えば、積層セラミックコンデンサにNi電極を展開した場合、内部電極の薄膜化により、コンデンサのさらなる小型化や大容量化が期待される。

 また、銀(Ag)ナノインクと比べてコスト削減になるほか、セラミクス層内への拡散が抑えられることから、絶縁不良の原因となる金属成分の移動現象(マイグレーション)の防止効果も期待される。共同開発では、IJヘッドと相性のよいNiナノインクの組成検討や、印刷後の導電性確保に向けた焼成条件を検討していく。

 具体的には、大阪技術研が開発に成功した直径50㎚以下のNiナノ粒子を使って、SSテクノがインク調合開発を行い、エレファンテックがIJプロセスの開発を推進することで、電極層のさらなる薄膜化を目指していく。

 エレファンテックによれば「IJ印刷可能なインクがなかなか見つからないため、今回の開発に踏み切った」とのこと。同社は金属インク種のバリエーション拡充を図り、電子部品製造プロセスをはじめとする新しい分野でのIJ活用事業をより一層推進していく考えだ。