日立化成はこのほど、同社および子会社の日立エーアイシー(HAIC)の小型フィルムコンデンサ事業を、タイツウ(川崎市中原区)に譲渡すると発表した。日立化成とHAICは、対象事業を今年10月1日付で承継準備会社(TAMC)にそれぞれ会社分割で承継し、同日付で全株式をタイツウに譲渡する予定。
HAICが製造し、日立化成が販売する小型フィルムコンデンサは大電流・高耐久で、高信頼・高品質が必須な車載用途を中心に評価が高い。顧客ニーズに応える製品改良などの差別化戦略を継続しているものの、コモディティ化の進展や競合の増加などが急速に進み、安定的な収益確保が難しい状況になってきた。
そうした中、日立化成はフィルムコンデンサの専業メーカーであり、OEMなどで長年の取引実績があるタイツウに対象事業を譲渡することを決定。タイツウは、対象事業の技術力と幅広い販売網を組み合わせ、車載用小型フィルムコンデンサ市場での競争力と販売力の強化により、さらなる事業拡大を図る。
一方、日立化成は、事業ポートフォリオの変革を進め、高収益基盤の確立に向けた施策を実行し、経営体質の強化を図っていく考えだ。