JSR 川崎市殿町に新研究所を着工、2021年に開所へ

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2019年11月12日

 JSRは11日、川崎市殿町の国際戦略拠点キング スカイフロントに2021年7月の開所を目指し、新研究所を着工したと発表した。新研究所の名称は、「JSR Bioscience and informatics R&D Center(JSR BiRD)」。

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外観イメージ

 未来に向けた価値の創出に取り組み、同社グループのライフサイエンス技術の集約に加え、オープンイノベーション促進を目的に設置する。また、今後本格化するデジタル変革に向け、新研究所をインフォマティクスの拠点として強化していく計画。加えて、首都圏に位置し、羽田空港に対面する同地域は世界へ向けての発信基地として最適な立地であり、新研究所では新規ビジネス創出を実現する。

 その施策として、①ライフサイエンス研究の深堀りと社会実装:同社は、JSR・慶應義塾大学 医学化学イノベーションセンターにおいて、世界最高峰の医学研究者と精密医療・幹細胞生物学と細胞医療・微生物叢・先端医療機器の共同研究を実施。新研究所は、その中でも微生物叢、特に最近注目されている腸内細菌の生菌製剤化を中心に研究を進める拠点としていく。

 インフォマティクス、オミックス解析(生体内のゲノム、転写物、タンパク室、代謝物と臨床情報とを網羅的に解析する手法)と共に、半導体材料事業などで培ってきたエンジニアリング、自動化技術を用いて成果の早期社会実装を目指す。

 ②インフォマティクスの強化:同社は、デジタル変革を見据えインフォマティクス技術に注力。社内にはマテリアルズ・インフォマティクス推進室を設置し、デジタル変革による研究開発力の強化と新たな価値の創出に取り組んでいる。

 それに加え、IBM Qネットワークハブ(慶大量子コンピューティングセンター内に開設)への参画や、先駆的なデジタルトランスフォーメーションカンパニーとの協業によって先進技術を習得しており、実験結果や材料性能の事前予測なども推進。新研究所を拠点に、インフォマティクス活動をより活性化し、本格化するデジタル変革を顧客への価値へつなげていく。

 ③新事業を創出するためのインキュベーション:変化のスピードが加速している現在、新事業創出には、オープンイノベーションにより生み出された複数の価値を育成・支援し、新たなエコシステムを構築することが必要になる。同社は、新研究所の実験設備、オフィスをパートナーに広く開放することで、新規ビジネスの創出を支援し、その成長を促進していく。