帝人ファーマはこのほど、骨折の危険性の高い骨粗鬆症を効能・効果とした自己注射製剤「オスタバロ皮下注カートリッジ1.5㎎」(一般名:アバロパラチド酢酸塩)の販売を開始すると発表した。
日本では骨粗鬆症の患者数は約1300万人と推定される。骨粗鬆症に
2023年2月1日
2022年9月7日
2022年4月26日
2022年4月5日
2022年2月2日
2021年8月24日
帝人ファーマは23日、完全子会社である帝人ヘルスケアの営業拠点を、現在の12支店75営業所から、18支店129営業所へと体制再編すると発表した。
帝人ファーマは、2025年に向けて地域包括ケアシステムが進展していくことを見据え、2019年10月に組織を再編。医薬品の情報提供の機能と、在宅医療機器などの営業およびサービスの機能を帝人ヘルスケアに集約し一元化した。今回の支店・営業所の再編は、それぞれの医療圏での医療ニーズに応え、より地域に密着した医療サービスや、それに伴う様々な価値の提供を行うために実施する。
帝人ファーマと帝人ヘルスケアは、帝人グループ独自の多職種によるチーム営業で、それぞれの地域でチーム医療を支えるとともに、今後も地域包括ケア関連事業の拡大を図り、地域に密着した総合サービス提供型の事業体を目指していく。
2021年6月25日
帝人ファーマは23日、メルツ社(ドイツ)から日本での共同開発・独占販売権を取得し販売しているA型ボツリヌス毒素製剤「ゼオマイン筋注用50単位、100単位、200単位」について、厚生労働省から「下肢痙縮」の効能または効果の追加承認を取得したと発表した。
帝人ファーマは、筋・骨格系疾患の患者のQOL向上に貢献するため、これまで様々な医薬品・医療機器によるソリューションを提供。また、脳卒中後遺症などによる運動機能障害の改善を支援するリハビリ用として、歩行神経筋電気刺激装置や上肢用ロボット型運動訓練装置などの製品も展開している。
こうした中、帝人ファーマは、2017年に同剤の日本国内での共同開発・独占販売権をメルツ社から取得し、2020年に上肢痙縮の効能または効果で製造販売承認を得て上市した。そして、両社は下肢痙縮の効能または効果の追加承認を目指し、メルツ社が日本国内で第Ⅲ相試験を実施。帝人ファーマがその結果をもとに変更承認申請を行い、今回の承認取得に至った。
下肢痙縮は、主に脳卒中の後遺症として起こる筋緊張の増加や、伸張反射の興奮性亢進によって生じる上位運動ニューロン症候群の1つ。下肢筋が過度に緊張することで正常歩行が難しくなることや、体幹が不安定になることで転倒の危険性が高まるなど、患者の日常生活の妨げとなっている。
現在、下肢痙縮の治療としては、リハビリ、経口筋弛緩剤、神経ブロック療法などが行われている。A型ボツリヌス毒素注射剤である同剤は、末梢のコリン作動性神経終末に作用し、神経伝達物質であるアセチルコリンの放出を阻害することで随意筋の筋力を弱め、筋緊張状態を緩和する。
特徴としてA型ボツリヌス毒素から、メルツ社が開発した精製技術を使って複合タンパク質を取り除き、神経毒素のみを有効成分としていることが挙げられる。これにより、中和抗体が産生されることによる効果減弱の可能性の低下が期待されている。
2021年5月18日
帝人ファーマは17日、特定健康保険指導や健康経営のサポート事業を展開するMealthy(埼玉県東松山市)に出資し、資本・業務提携を行うと発表した。地域包括ケアシステム関連の新市場創出を目指す帝人ファーマは、今回の提携により、事業のデジタルプラットフォームおよび生活習慣病領域のサービスを強化することを目指す。
Mealthyは、2014年設立のベンチャー企業。多忙で食生活が不規則になりがちなビジネスパーソンをターゲットに、栄養の専門家がユーザーの性格やライフスタイルに寄り添った最適な食事をアドバイスすることで病気を予防する、食習慣改善サポートサービスを展開している。ユーザーは、アプリ上に日々の食事の写真を投稿するだけで、専任の管理栄養士からのアドバイスを受け、正しい食習慣を身に付けることができる。
両社は、オープンイノベーション活動の一環として2018年に協働したことをきっかけに共同研究契約を締結し、これまで協業案の検討や実証実験に取り組んできた。その過程において、顧客に寄り添ったコミュニケーションを重視してサービスを展開するMealthyの特長が、患者に寄り添った地域密着型サービスを目指す帝人ファーマの方向性と合致し、資本・業務提携に至った。
帝人ファーマは今後、Mealthyと生活習慣病の管理プログラムの共創や、共同特許の出願を行い、現在、企業向けに手掛けている管理栄養士によるマンツーマンでの栄養管理指導サービスを、医療機関に向けて拡大展開していく。また、当社が展開する医療・介護多職種連携情報共有システム「バイタルリンク」などのデジタルサービスと連携させることにより、地域包括ケアシステム関連事業をさらに強化していく。
2021年4月26日
帝人ファーマは23日、ジョリーグッドと、バーチャルリアリティ(VR)を活用したうつ病の認知行動療法(CBT)を補助するシステム(CBT-VR)の共同開発契約を締結したと発表した。今後、両社はCBT-VRの薬事承認を目指し、その有効性や安全性を確認するために共同で開発に取り組む。
今回、契約締結に至った経緯として、帝人ファーマが昨年12月に実施した在宅医療分野の公募型事業共創プログラムで、ジョリーグッドが受賞したことが契機となった。その際に提案された「精神疾患を対象にした認知行動療法VRの開発」というテーマについて、両社の強みや事業領域を踏まえて具体的に検討を進めた結果、帝人ファーマがもつ知見や技術に、ジョリーグッドのVR技術を組み合わせることで、医療者をサポートし、患者のQOL向上に貢献できるとの確信に至った。
認知行動療法は、ものの考え方や受け取り方といった認知のあり方が気分や行動に影響を与えることから、患者と医療者との対話の中で認知の偏りを修正し、問題解決を手助けする精神療法で、薬物療法以外の選択肢の1つとして取り入れられている。共同開発するCBT-VRは、認知行動療法の際に医療者と患者との対話にVRを組み合わせることで、感情喚起のサポートや症状の評価などをVRが補助し、治療効果を高め、医療者と患者の負担を低減することを目指す。
今後、帝人ファーマはCBT-VRの薬事承認を目指し、ジョリーグッドとともにCBT-VRに使うシステムやコンテンツの開発、有効性と安全性を確認するための治験などを実施していく。帝人ファーマは、今回の共開発をきっかけとして、うつ病治療に対する未充足の医療ニーズを踏まえた先進的なサービス開発に取り組み、社会への貢献を目指していく。
2021年4月23日
帝人ファーマはこのほど、「オスタバロ皮下注カートリッジ 3mg」(一般名:アバロパラチド酢酸塩)について、骨折の危険性の高い骨粗鬆症を効能・効果として、厚生労働省より製造販売承認を取得したと発表した。なお、同剤は、新医薬品の処方日数制限に対応する製剤を開発中であるため、現時点での上市時期は未定となっている。
同社はこれまで関節領域に関しては、骨粗鬆症治療剤や超音波骨折治療器など、様々なソリューションの提供を通じて、患者のQOL(生活の質)向上に貢献してきた。一方、現在、日本国内の骨粗鬆症の患者数は約1300万人と推定されており、骨粗鬆症に伴い骨折が発生した場合、ADL(日常生活動作)やQOLの低下、生命予後の悪化につながるとされる。そして、特に低骨密度、脆弱性骨折の既往や高齢を伴う「骨折の危険性の高い骨粗鬆症」には、短期間で骨量を増やし、骨折の発生を抑制できる薬剤が求められている。
「オスタバロ」は、ヒト副甲状腺ホルモン関連タンパク質(PTHrP)のN末端から34個のアミノ酸配列のうち、一部を改変したポリペプチドであるアバロパラチド酢酸塩が有効成分。アバロパラチド酢酸塩は、骨代謝に関わる副甲状腺ホルモン一型受容体を選択的に刺激する作用をもち、1日1回の皮下投与により、骨芽細胞の増加を介して骨形成を促進することで、骨量の増加効果が期待できる。
同剤は、骨折の危険性の高い骨粗鬆症の患者を対象とした国内および海外の臨床試験により有効性と安全性が確認されたことから、昨年5月に製造販売承認申請していた。また同剤は、ラディウス・ヘルス社(米国マサチューセッツ州)が、骨折の危険性の高い閉経後女性の骨粗鬆症治療薬として、2017年に米国で承認を取得し販売している。