BASFジャパンと総合塗料メーカーの菊水化学工業(名古屋市)は、建築用塗料の耐久性の重要性に関する認知向上のための共同ブランディングを開始した。この取り組みは、共同開発した高性能樹脂を使い、菊水化学が製造販売する高耐候性アクリルシリコン樹脂塗料「水系ファインコートシリコン」を通じて行う。
同製品はBASFのコアシェル技術を活用した、多層構造のポリマー粒子から成るアクリルディスパージョンに、紫外線による経年劣化を防ぐ同社の光安定剤「チヌビン」を配合した専用樹脂を採用することで、建物の長期にわたる美観維持に寄与する。
共同ブランディングでは、「水系ファインコートシリコン」のパッケージやパンフレットにBASFのロゴが付くほか、パッケージに「チヌビン」のウェブサイトをQRコードで表示し、塗料の耐候性の重要性を訴求する。
外壁塗装は建物を保護するために施されているが、日光・雨・ほこり・風に直接さらされることで、一部の塗料は徐々に割れてはがれ、時間の経過とともに保護機能を失う。
「水系ファインコートシリコン」に使われる「チヌビン」は、有害な紫外線から塗膜を保護し、光沢低下とひび割れ、チョーキング(白亜化)のような塗膜劣化を最小化する。
菊水化学の山口均社長によると、「水系ファインコートシリコン」は、建築物の期待耐用年数を、一般的なシリコン樹脂塗料の10~12年から12~16年に延長できるという。
日本では住民の高齢化や空室問題などで、マンションの大規模修繕費用の不足が課題となっており、耐用年数の延長は、日本の不動産管理会社や住宅所有者にとって、環境に優しく、コスト削減につながるソリューションになるとのこと。